第一話 卒業してその十三
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「それで悪いことに誘われてもどう守るか」
「そのことよね」
「お姉ちゃん詳しいと思ったけれど」
「もう目と口元ね」
愛は自分の分のコーラも出している、それを飲みながら答えた。
「そこに出てるの」
「悪い人はそうなの」
「もう悪人は目が笑ってなくてね」
「それよく言われるわね」
「特に悪いこと企んでいる時はね」
「目が笑ってないのね」
「そう、それで目が濁ってるし」
笑っていないうえにというのだ。
「わかるのよ、それで口元もね」
「そっちもなの」
「変に歪んだ笑いを浮かべたりするのよ」
「歪んでるの」
「こんな感じでね」
愛は実際に表情を作って話した、それは刑事ドラマ等の悪役の笑顔であった。
「歪んでるの」
「そうした笑顔ね」
「そう、それでね」
「それで?」
「全体的に下卑た感じなのよ」
「悪人っていうのは」
「もう人を騙して悪いことに誘う様な奴はね」
こう従妹に話した。
「こうした笑顔になるの」
「そうなのね、けれどよくそんなの知ってるわね」
「近所に札付きのヤクザ屋さんの事務所があったのよ」
「ヤクザ屋さんは皆札付きでしょ」
「そのヤクザ屋さんの中でもよ」
特にというのだ。
「特にね」
「酷かったの」
「もう下劣な悪事の限りを尽くしたね」
「そんな事務所だったの」
「もう近所の皆が嫌っていたけれど」
それでもというのだ。
「そこの人達皆そうだったのよ」
「目が笑ってなくて」
「濁っていてね」
そしてというのだ。
「もう笑ってもね」
「下卑たものだったの」
「その人達を見てきたから」
それでというのだ。
「私はわかるの」
「そうなの」
「ちなみに去年遂に警察が入ってね」
「捕まったの」
「そうしたらもう悪事の総合結社だったわ」
コーラを飲む従妹に話した。
「文字通りのね」
「悪のなの」
「そう、それも下衆なね」
悪は悪でもというのだ。
「そうだったわ」
「そんな事務所だったの」
「もう麻薬とか臓器売買とか密輸とかね」
「凄いわね」
「当然殺人もね」
こちらもというのだ。
「してたけど全部が全部ね」
「下衆だったの」
「それでそこの人達が」
「皆そうした目だったの」
「そう、その人達の画像ネットでも出てるけれど」
愛は自分のスマホを出してきて言った。
「そっちも見てみる?」
「それじゃあね」
咲も頷いて答えた。
「見せて、お話を聞くよりもね」
「見る方でしょ」
「ええ」
実際にと従姉に答えた。
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