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ゴミの中の猫
第二章

[8]前話
「この子なんです」
「捺すだったので名前は彼の名前を取ってレイモンドとしましたが」
「ゴミ捨て場に捨てられていました」
「キャリーケースに入れられて」
「その時私が見付けてです」
「そうして助けて今は飼っています」
「ニャ〜〜」
 その猫はマークの前で鳴いた、だが。
 マークはその子猫、レイモンドの頭を撫でて二人に話した。
「何処でもそんなことをする奴がいますね」
「全くです」
 人のレイモンドがマークに答えた。
「命をゴミ扱いするなんて人間とは思えません」
「俺もそう思います、マークを見付けた時です」
 今膝の上にいる彼を見て話した。
「怒りで身体が震えました」
「私達もです」
「そうなりました」
 二人でマークに答えた。
「こんな酷いことをする人がこの世にいると思うと」
「怒りがこみ上げました」
「そうですね、本当にです」
 マークはさらに言った。
「こんなことは許せません」
「全くですね」
「こんなことは許せないですね」
「ええ、やった奴を見付けたらぶん殴りたい位です」
 マークはその怒りを率直に述べた。
「暴力はいけないですが」
「いえ、そのお気持ちわかります」
「本当に」
 二人もマークの怒りを認めた、自分達も同じ感情を持っているからだ。
「こんなことをするなんて」
「最低です」
「全くですね、ですが」
 それでもとだ、マークはさらに言った。
「俺達はそんな奴等じゃない」
「ええ、反面教師にしてです」
「そうした人達とは逆のことをしないといけないですね」
「私達はレイモンドをずっと育てていきます」
「家族としてそうしていきます」
「俺もです、マークとは何があっても離れません」 
 マークはまた言った。
「本当に」
「ですね、命を大事にしていきましょう」
「掛け替えのないものとして」
「グランジェッタいいな」 
 マークは愛猫にも話した。
「俺達はずっと一緒だぞ」
「レイモンド、私達もだぞ」
「何があっても離れないわよ」
「ニャア」
「ニャンニャン」
 二匹はそれぞれの家族に喉を鳴らして応えた、その彼等を見てだった。
 三人は絶対にそんなことはしてはならないと思った、そして見付け出し救った命を大事にしようと決意した。そんな悪事を知ったからこそ。


ゴミの中の猫   完


                 2021・4・17
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