第一章
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全ての犬を救った人
ダニエル=トレーパーアメリカのオンタリオ州で動物救助センターを運営している彼はこの時イスラエルのある動物保護施設にいた。面長で口髭を生やした優しい顔の男性であり物腰も穏やかなものである。
「ワン」
「ワンワン」
そこには多くの犬達がいた、その犬達は。
全て悲しい顔であった、ダニエルは彼等と施設の中を見回してスタッフに言った。
「あの」
「ここはですな」
「はい、あまりにもです」
こうスタッフに言うのだった。
「酷い状況です」
「私達もわかっていますが」
それでもとだ、スタッフは彼に話した。
「どうしてもです」
「こうなっていますか」
「収容出来る数をです」
「ここは七十頭位ですね」
「はい、ですが」
収容出来る数はそれだけだがというのだ。
「今二百五十頭います」
「三倍以上ですね」
「三倍半を超えています」
収容出来る上限をというのだ。
「ですから」
「それで、ですね」
「はい、ですから」
「この通りですね」
「もうどの子もです」
「痩せていて」
「食事も満足でなく」
そうしてというのだ。
「環境もです」
「不潔極まりますね」
「それでストレスも溜まって」
犬達がというのだ。
「それで、です」
「喧嘩等もですね」
「起こっています」
「そうですか、ならです」
ダニエルはスタッフに強い声で話した、施設の中を歩き回りストレスが溜まっていることが明らかな犬達を見ながら。
「私に協力させて下さい」
「援助をしてくれるのですか」
「いえ、今いる子を全てです」
二百五十頭いる犬達全てをというのだ。
「こちらで引き取ります」
「そうされるのですか」
「はい」
スタッフに強い声のまま話した。
「そうさせて頂きます」
「宜しいのですか?二百五十頭です」
「私はそれが出来るだけの力があります」
「お金に場所にですか」
「そして人材も」
全て揃っているというのだ。
「ですから」
「それで、ですか」
「はい、是非です」
こう言うのだった。
「ここにいる子達をです」
「全てですね」
「引き取らせて下さい」
「そこまで言われるなら」
スタッフはすぐに施設の責任者に話した、すると。
責任者も思わずダニエルに聞き返した。
「あの、本当にいいのですか?」
「さもないとこの子達がどうなるか」
犬達がとだ、ダニエルは責任者にも話した。
「わからないので」
「ではアメリカにですか」
「この子達を連れて行って」
そうしてというのだ。
「そこで、です」
「里親を探してくれますか」
「そうしますので」
だからだというのだ。
「引き取らせてくれませんか
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