第二章
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その後スタッフの人達には朗報が二つ入った。
「スズは幸せになったそうですね」
「そうみたいだな」
「あの人がとても大事にしてくれて」
「温かい家の中でいつも可愛がってもらって」
「本当に幸せになったそうで」
「よかったです」
「あんないい娘ですから」
それだけにというのだ。
「幸せにならないと」
「心ある人と共にいて」
「そうした人と家族になって」
「そうなるべきで」
「そして」
もう一つの朗報についても話した。
「前の家族は今大変だそうだな」
「何でも破産して」
「それで借金取りに追われて」
「もう四苦八苦らしい」
「そうなっているらしいですね」
「自業自得だよ」
こうした言葉が出た。
「あんな人達は」
「スズを捨てて無視して」
「そんな冷たい仕打ちを平気でしたなんて」
「本当に最低ですね」
「あんな人達に犬飼って欲しくないです」
「生きものを家族にして欲しくないです」
「報いを受けるべきで」
それでというのだ。
「実際に報いを受けました」
「よかったですよ」
「いい娘には幸せを、悪い家族は報いを」
「神はいつも観ていますね」
「そしてそれぞれ与えてくれています」
「だからスズは」
彼女はというのだ。
「幸せを手に入れました」
「そしてこれからも幸せです」
「そうなります」
スズの家族から送られてきた彼女の動画を観て話した、そこにいるスズは活発に動き元気にご飯を食べて尻尾を振っていた。その目はきらきらとしていた。スタッフの一人ララ=ゴンザレス短い金髪で黒い目で浅黒い肌の彼女が言った。
「あの時とは別の犬みたいですね」
「幸せを手に入れたからね」
「そうなったね」
「そうですね」
笑顔で言った、その幸せそうな彼女を見て。
最悪の悲しみの後の最高の幸せ 完
2021・4・16
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