第二十五話『セミラミスは受肉したい』
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「マスター、我は受肉を所望する。」
ロンドンから日本へとは結構時間が掛かるため園内で平和な時間を過ごしていたのだが、セミ様が唐突とそんな事を言い出した。しかも食卓を囲む円卓でだ。
「えっと、聖杯を使えってこと?」
「あぁ、そしてそなたと『私』で子を作ろう。あぁ、我が子はマスターに似て凛々しくなるに違いない。」
「はっ!面白い冗談を貴様も言うようになったな、毒虫」
「ふ、そう嫉妬するでない悪龍。人と子が成せぬからと目くじらを立てられてはたまったものではないわ。」
「はぁ?わえだって本気だせば成せるのじゃが?舐めるなよ、毒虫。それに半龍半人のほうが格好良いわ、きっひっひ」
「はぁ低俗な争いですね。やはり此処は王道にデミなゴッドでーす♪」
「「貴様は自分の妹でも孕ませて置けば良い」」
「なぁ!?それは言わない約束って言いましたデス!」
「マスター____マスターは私を選んでくれるわよね?」くいくい
「お待ちなさい。母である私が責任を持ってマスターとの子を成しましょう」
「_________________センパイ、信じてますから(⌒⌒)」にこにこ
誰かたすけて!アーラシュ!キュルケー!なんで二人とも目を逸らすの!
「あ〜ここの飯は本当に上手いな。さて、朝の運動でもするか!」
「そ、そうだね、アーラシュ!うん、僕も朝のキュケオーンしないといけないんだった!」
二人とも絆値5になったのになんでそんなに冷たいんだ!てか逃げるな!そもそも朝のキュケオーンしないとってなんだよ!
「あぁ、だがわえは逆にサーヴァントとしてマスターが天寿を全うするその時まで永久にいたいと思うがな。人と竜の寿命は違い過ぎる。故に共に輪廻の輪に戻る楽しみもあるというもの」
『ま、わえに寿命はないがな』と付け足すヴリトラちゃん。
「あ〜それは分かりマスデス。人の子は目を瞑る間に死んでしまう。そしてそれを看取るのはいつだって神の努めですから、契約(寿命)がきれるまで一緒にいられるのは素敵だなって考えちゃいマース。」
人外である為に二人の意見はかみ合った。
「マスター、私は大丈夫よ。マスターを絶対に死なせたりしないもの、ふふ。私とお父様のいるあちら側の世界に生きましょう。」
あちら側.......お父様.......えっと、それっておでこの中から時折此方を覗き込んでいる方の事でしょうか?
「あちら側に行けば寿命なんて概念は消え失せるわ。」
時々とあの目線が半月(⌒)みたくにこにことしながら此方を見てるのは気のせいだと信じたい。
「ダメですよ、マスター。マスターは母と生涯を過ごすのですから。そも料理も出来ぬ幼子にマスターのお世話は任せられません、失せなさい」
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