第二十話『ヴリトラちゃん、満を持しての登場』
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「マスター、貴様!何故わえを起こさなかったのじゃ!!わえはこんなにも貴様を慕いしてるのじゃぞ、気づかんか、にぶちん!」
マスターの腕へと引っ付き拗ねた様子のヴリトラちゃん。可愛い。
「離れぬか!この痴れ者!」
セミラミスが必死に引き剥がそうとするが、ヴリトラの膂力に大きく劣るセミラミスでは引き剥がす事が出来なかった。
「煩い毒虫じゃな。それ、餌をやるからあっちへいっとれ。」
「なっ!?巫山戯たことを言う悪竜だ........くく、もう少し綺麗に風呂に入ったらどうだ?匂いがきつくてたまったものではないぞ?」
「がっ!?は、入っとるわ!!」
二人で痴話喧嘩を開始する。マスターは何とか宥めようとするが二人はそっぽを向き同じ台詞を吐き捨てるのだった。
「「本当にしゃくに触る奴だな、貴様は!!」」
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「話は相分かった。それで、天草とやらを殺戮すればよいのじゃろ?」
まぁ簡潔に言うならばそうなるね。特異点を元に戻す為には。
(けど、)
セミラミスの方へと視線を向ける。
「我は.........天草四郎時貞は確かにかつてのマスターだ。奴の掲げる愚かな願いを最終的にではあるが心の底から支持していたと、かつての『私』の記録は言っている。」
セミラミスは胸へと手を当て、瞳を閉じた。
「あぁ.....最後の最期に、私は『マスター』に褒美として口づけをしてやった。」
悲しげで、何処かやるせないと言った表情。
「私の力のみを求めてくれたのは.......奴だけだったんだ」
涙が頬を伝い地へと落ちる。
「そうか。セミ様がそれだけの事を言葉にするんだ。俺が___________何とかする」
セミラミスのことがマスターとして一人の人間として大好きだ。だからこそ、彼女の気持ちを大事にしたい。例え彼女が元マスターを自身の居場所としても。
(惚れた弱みってやつだよな、ちきしょう)
拳を握り締め、
(天草くんをぶん殴って、聖杯を彼自身から取り出す。そしてカルデアに連れ戻す)
覚悟を決めた矢先_______
「______________いや、しなくて良い。殺せ。」
「へあッ?」
思わず変な声が出てしまった。
「マスターよ、我が愛しておるのはそなただと毎夜毎晩毎朝と告げておるな。」
「う、うん。」
「決して勘違いしてくれるなよ。私が愛し愛されたいと感じたのお前だけだよ。そして未来永劫、それは変わる事はない。」
胸ぐらを掴まれ無理やりと唇を奪われる。
「ふふ、そなたも我の逸話をしっておろう。欲しい男の
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