第十八話『特異点発生』
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「特異点が発生したっぽい」
ムニエル新所長からの館内通達が響き渡る。即座に目を開き、隣に眠るセミ様を起こすことにした。
「セミ様〜朝でちゅよー」つんつん
ほっぺをつつくとセミ様はゆっくりと起き上がり大きくあくびをする。いやもう本当に可愛いわ。美人でいて可愛いとか反則でしょ!
「んーおはよう、マスター」だき
自分へと項垂れるセミ様を抱きしめもう一度ベッドへと横になる。
「今日も良い一日になりそうだ」
「そうだね。セミラミスが隣にいてくれるからこんなにいい日が続くんだよ」
「_________お前は『私』のものだ」だき
セミ様は自分の胸元に顔を埋め嬉しそうに顔を右往左往とする。
『マスターくーん、会議室に来てー』
ムニエル新所長よ、せっかくのいちゃいちゃタイムを邪魔しないで貰いたい。
「はぁ、興が冷めた。ゆくぞ、マスター」
「あぁ、名残惜しいけど行くとしますか」
手をつなぎ会議室へと向かう。
プシュー
「何事か、新所長とやら。」
セミラミスは入室するなり着席し、ムニエルへと問う。
「特異点が発生したんだよ」
「このタイミングで?」
「そ、このタイミングで!」
あまりに不自然過ぎる。と言うかいやらしいタイミングである事は確かだ。
「場所と時代は?」
「大正、日本______そしてロンドン、イギリス。」
「2つの特異点が同時発生したってこと?」
「いや、違うんだけど......なんか聖杯の影響がかなり大きくて範囲が極限まで広がったぽい。て言うか聖杯が2つ程観測出来たんだけど、どうする?」
「どうするも何もレイシフトするしかないでしょ?」
「えぇ........」
レイシフト出来るのは適正がある者だけだと決まってはいるのだが、空中庭園はその常識から外れる。カルデアス本体と空中庭園は奥底で融合している為、空中庭園そのものを乗組員達と共にレイシフトをする事が可能なのだ。
とはいえ適正がないものがレイシフト先で空中庭園から出れば強制返還、または存在そのものを失ってしまう可能性がある為あまり推進はされない。
「まぁいつも通り一蓮托生で行こう!」
セミラミス単体でレイシフトすれば空中庭園は操縦者、核が無くなり空中分解を起こす。故に選択肢がないのだ。
「はいはい、〇〇くんに従いますよ!」
ムニエルはそう言うとカルデア職員達に指示を出していく。さぁロストベルト攻略の前にちゃっちゃと終わらせますか!
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