第一三話『アビゲイルは怖い』
[8]前話 [2]次話
空中庭園のある一室_____
『パンケーキ』という単語を聞くだけで私はかたかたと震えてしまう。それもこれもあの悪魔のせいだ。パンケーキは本当はふわふわで私の大好物なのに!
(ひっそりと座に還ろうとも考えた)
でもそれではあまりにもマスターが可愛そうだと思った。
「________マスターには私が必要だわ。」
あの悪魔じゃなくて私が最初に召喚されていればマスターは『私のもの』だったのに........
「マスター.........ますたぁ」
マスターの事を思うだけで胸が張り裂けそうになる。
『アビーちゃん、大丈夫?』『アビーはいい子だなぁ!』『朝ごはん一緒に食べよ!』『今日は何しよっか?』
あぁ、むちゃくちゃにしたい。あの髪も身体も何もかもを飴玉のように舐め回したい。それに自分の名前を呼び掛けてくれるあの日だまりのようで暖かい声質が頭をとかす。
「......アビーはイケナイ子だわ。」
部屋の隅で過ごす毎日。なるべくマスターとは会わない方がいい。今の状態では何をしでかすか分かったものではない。
アビゲイル・ウィリアムズ (絆9.8)
アビゲイルは怯えていた。セミラミスに対し畏怖や悲しみを感じているのだろう。しかし本質は其処にはない。彼女はセミラミスを言い訳にマスターに対しての異常な程の劣情を隠しているのだ。
絆値が10に到達したとき、彼女は己の欲望を抑え込む事が出来るのか不安で仕方がない。既に髪の色が徐々にではあるが白髪交じになりはじめている。第三の再臨への予兆である。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ