第六百九話 カレーはそれぞれその六
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「それでもなんだ」
「マウリアじゃ食べないんだ」
「カレーいやカリーにもなんだ」
「しないよ」
「そうなんだね」
「鰐のカレーもあるけれど」
「それはカレーでね」
それでというのだ。
「カリーじゃないから」
「連合はカレーでね」
シッドも言った。
「マウリアはカリーだね」
「そういうことだよ」
こう言うのだった、トムも。
「要するにね」
「だからカレーには鯨は入っても」
「カリーにはだよ」
「連合とマウリアの違いだね」
「要するにね」
「そうなんだね」
「連合といっても中に三百以上の国あるし」
エイミーも言ってきた。
「カレーといってもそれぞれだけれどね」
「それはあるね」
「そうでしょ」
「キーマカレーもあるしね」
「そうよね」
「色だってね」
カレーのそれもというのだ。
「スパイスによって変わるし」
「俗に言うカレー色とね」
「緑も黒も赤もあるし」
「青や紫も」
「色々だよ」
カレールーの色もというのだ。
「これが」
「そうよね」
「まあそれはね」
トムはさらに話した。
「本当にね」
「お国によって違って」
「色だってね」
「違うわね」
「そうだよね」
「まあ普通はね」
そう言っていいカレーはというと。
「連合だとカレー色のビーフカレーだね」
「それがポピュラーよね」
「一番ね」
「そうよね」
エイミーもそうだと頷いた。
「カレーは」
「オーソドックスはね」
「ビーフカレーよ」
「そうだよね」
「マウリアではないけれど」
そのビーフカレーはというのだ。
「まずね」
「ヒンズー教だと食べないから」
「もうそのことが絶対だから」
「ビーフカリーはないよ」
「何があっても」
「そもそもね」
トムは遂にカイギュウカレーを食べ終えた、そうして鯨カレーを食べはじめた。すると実際に美味かった。
「ビーフカレーってイギリスがマウリアを征服して」
「植民地にしてね」
「搾取の限りを尽くして」
連合ではこう教えているのだ。
「それでその中でね」
「沢山の人も殺してね」
エイミーもこう言った、連合ではエウロパの歴史を破壊と殺戮と収奪の歴史そのものだと教えているのだ。
「そしてね」
「その中でね」
まさにというのだ。
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