始まりから夏休みまで
☆話はじっくりベッドの上で聞かせてもらう話。
[5/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
えに出してたけどね。」
それから僕がネットで絵を投稿し続けたことがバレた日の夜、家族会議が開かれた。
父は頭を抱えてため息を吐き、母からは思い切り引っばたかれ、兄は絵に関する道具は全て破壊し、絵は燃やした。
「ペンも液タブも全部目の前で壊されてさ。描いた絵も燃やされて、その時は泣いちゃった。」
「そりゃ、泣くにきまってる。」
「でもそんなのまだまだ序の口だったみたいで…」
それから、あいつは僕への嫌がらせに本腰を入れてきた。
まずは友達…とは言っても言うことを聞かなければ母さんに頼んで何がするぞ。と脅した雇ったクラスメイト達に指示させ、僕のアカウントへ総攻撃を始めた。
実際は数十人なのに何百人もいるようにアカウントをいくつも作り、徹底的な誹謗中傷をした。
当時わけのわからない僕は何とかしようとしたけど、多すぎる誹謗中傷に僕はどうすることも出来なかった。
中には擁護してくれる優しいファンもいた。
でもそういった人は逆にそいつらに目をつけられ、徹底的に潰される。
やがてファンも去り、悪意のあるコメントばかりが埋めつくし、日に日に僕は追い込まれていく。
ネットだけじゃない。リアルでもあいつは僕を追い込んでいく。
監視され、絵を描こうものなら暴力をふるう。
嘆く僕を見て大笑いする。
自称絵のプロの友達を呼び、一緒になって指摘という名の誹謗中傷を浴びせる。
こうした日が何日も続き…
「気づいたら僕ね…絵、描けなくなってたんだ。」
「描けなく…なった…?」
「そ。」
懲りずにコッソリ描こうとした際、あることに気付いた。
絵を描こうと思うと手が震え、うまく描けない。
意地でも描こうとすれば、誹謗中傷のコメント達や兄の悪意に満ちた顔がフラッシュバックして吐き気を催して耐えられなくなる。
つまり、トラウマを刻みつけられてしまった。
「…!!」
「お、お栄ちゃん?」
浴槽に縁にドン、と拳を打ち付けていた。
拳はふるふると震え、眉間に皺を寄せた表情からは怒りを感じ取れた。
「許せねぇ。自分が気に入らねぇってだけで、すとれす解消したいってだけでそこまでするか普通…!」
「こっちは必死に勉強してるのに、僕は楽しく絵を描いてる。それがいけなかったんだ。」
「いいやマイは悪かねぇ!悪いのはあのクソ兄貴だ!」
「…でもね、その時はしょうがなかったんだよ。何も出来なかった。」
自分でもわかる。
今自分が取り繕ってる作り笑顔は、きっとぎこちないものだって。
「それでね、なんとかこの状況を変えたいから、僕はあの家を出てくことにしたんだ。」
「…変えようと、したんだナ。」
このままじゃよくない。
もしここに住み続ければ、僕は永遠にあいつにこき使われ続ける。
楽しいこともない
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ