第165話
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そんなこんなで今夜はすき焼きである。
クラスメイト全員+小萌先生+インデックス+三毛猫というメンツで、土御門元春の知っている鍋の店へと歩いて行った。
大覇星祭の打ち上げの際、すでにインデックスはクラスの中に乱入して五秒で馴染んでしまっていたので、今回はもう何というかクラスに対する説明すら不要だった。
完全下校時刻を過ぎているため、電車もバスもない。
従って、お店は第七学区の中限定という事になる。
そこは複雑に入り組んだ地下街の一角で、様々な料理や栄養関係の学校が実験的にお店を集めているようだった。
さては土御門の義妹の舞夏の家政学校の店も入っているな、と上条はこっそりとため息をつく。
件のすき焼き屋さんはと言うと・・・・
「おわあ。」
上条は思わず呻き声をあげた。
近代的なデザインばかりの地下街で、その一軒だけが妙にすすけているというか、もっと口語的にいうとボロっちい。
客を集めている感は限りなくゼロだった。
上条は息を呑みつつ、何となく最前列にいたので入口の戸をガラガラと横に引いてみる。
レジの所にいたのはやる気のなさそうな学生店員だったが、上条達の総数が四〇人を届くと聞くと店の奥へ引っ込み、そちらからゼニ丸出しな声が飛び交う。
上条は肩を落としつつ、
「ま、団体様だもんな。」
「そもそも電話もしないでいきなり四〇人も店に向かうのがおかしいし、そいつを笑顔で丸ごと受け入れられる時点で普段のガラガラぶりを感じて欲しいにゃー。」
と言ったのは土御門だ。
そこへさらに。
「ところでなのです。」
小萌先生が割り込んだ。
彼女は壁にかかった、やや油を吸っているっぽい色合いのお品書きを眺めて言う。
「土御門ちゃんは、何で地ビールだけで三〇種類も揃えているアルコール最高のこんなお店を知っているのです?」
「ぐっ!?い、いや!?
違うですにゃー高校生がアルコールの摂取など考えられないにゃーっ!!」
「土御門ちゃん?土御門ちゃーん?」
小萌先生が限りなく胡散臭い瞳を向けたが、ここで騒がれると鍋がお預けになってしまう。
上条達クラスメイトは小萌先生の全員を掴むと、まーまーまーまーと言いながら強引にお店の団体様用宴会席へ向かう。
先生が何か言いたそうだなみんな取り合わない。
当然だから一つの鍋を四〇人前後でつつきまくる訳にはいかないので、自然といくつかのグループにテーブルが分かれる事になる。
各々のテーブルが勝手にテンションを上げて、様々なコンテストを開いたりなど大忙しだ。
三毛猫は小さな鼻をひくひく動かしては嬉しそうにみゃーみゃー鳴いていたが、またもやネギ禁止令のためすき焼きはお預けである。
あまりにも無残なので、上条は鍋と一緒に注文したものの先に来てしまった手軽なお
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