第165話
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にぎりを三毛猫の前に置いた。
三毛猫は不機嫌そうにしっぽを膨らませながら、前脚でおにぎりの両サイドを掴み、頭からガブリとやっている。
注文した鍋を待つ間、クラスで話題になっているのは、やはり学園都市の『外』で起きている混乱についてだ。
姫神はボソボソとした声で、背中合わせの位置にいる制理に話しかける。
「そういえば。大能力以上の子には。身元の申告書類を提出するようにって話がいっているみたいだけど。」
「大能力とか超能力とかって言ったら相当の使い手でしょ。
ふん、やっぱりやばくなったらあたし達も矢面に立たされるのかしらね!」
「それはあまりないと思うぞ。」
と、制理の隣にいる麻生がそう言う。
制理の言葉は周りの皆も聞いているからこそ、麻生の否定が気になったのか耳を傾ける。
「大能力や超能力は強力な戦力になる。
だが、彼らの髪の毛などのDNA情報には学園都市の超能力のデータが詰まっている。
それも彼らほどのレベルの能力者なら、研究価値が出てくる。
身元の申告書類は戦争が起こったら前に出す為じゃなくて、彼らをシェルターやら何やらに避難させるための手続きの可能性もある。」
「でも、それと俺達が駆り出されるのと関係ある訳?」
一人の男子生徒が麻生に疑問を投げつける。
「能力の差があれど、俺達は超能力開発の授業を受けている。
無能力者でも、充分に研究対象になる。
下手をすれば、小さなきっかけで学園都市と同じ超能力理論を開発、もしくは全く別の理論を開発するかもしれない。
何より俺達はまだ学生、子供だ。
子供を戦争に利用するという事を世間に知れ渡ったら、学園都市の信頼や地位などは一気に落ちる。
それらの要因を含めて、俺達が戦争に駆り出されるのは低い。」
麻生の説明を聞いて、クラスメイトはおぉ〜と感心の声をあげる。
特に感動していたのは、小萌先生だ。
「麻生ちゃん。
先生は嬉しいですよ。
毎日、窓の外を見て授業を聞いていないと思っていたのですが、実はしっかりと勉強していたのですね!
先生、涙が出てきそうです。」
と、割とガチで涙が出そうな小萌先生。
それを見た他のクラスメイトが、小萌先生が泣かないように色々と言葉をかける。
嬉し泣きとはいえ、涙は見たくない。
楽しいすき焼きパーティにしたいと思っている彼らは、全力で小萌先生を子供をあやす様に慰める。
「なーなー。
常盤台中学の学バスは耐爆防弾使用だって本当なん?
何かウワサじゃ不意の砲撃でも安心とかいう話らしいんやけど。」
「そこん所はどうなんですかい、キョウやん先生。」
青髪ピアスの質問
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