第一話 卒業してその十
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「大学生になったら」
「余計にだからな」
「ええ、だからね」
それでというのだ。
「困るのよね」
「全くだ、けれどな」
それでもとだ、夫は妻に話した。
「ファッションは兎も角として」
「他のことはしっかりしてるのよね、あの娘」
「ああ、考え方だってな」
「だからね」
「悪い手合いについてもな」
「詳しいししっかりした考えだし」
だからだというのだ。
「それでね」
「あの娘からも聞くといいな」
「夢ちゃん咲をずっと可愛がってるし」
「咲も嫌いじゃないしな」
「私夢姉ちゃん好きよ」
咲もこう答えた。
「確かに私もファッションセンスは派手過ぎると思うけれど」
「それでもよね」
「というかファッションも似合ってるし」
夢にはというのだ。
「だからね」
「それでなのね」
「むしろお父さんやお母さんが言い過ぎで」
それでというのだ。
「そこまではってね」
「思ってるから」
「もう私すぐにでもよ」
「夢ちゃんと会って」
「それで聞くわね」
「じゃあそうしなさいね」
母は娘に言った、娘が彼女についてどう思っているのかは知っていたのでそれでそれならという返事であった。
「あんたでね」
「そうするわね」
「ええ、明日にでもね」
「あの娘今は原宿でアルバイトしてたな」
父はここでこのことを言った。
「だったらな」
「原宿に行って」
「アイスクリーム屋さんだったな」
そのアルバイト先はというのだ。
「だったらな」
「アイスクリーム屋さんに行くの」
「それであの娘のアルバイトが終わったら」
「その時になのね」
「話を聞け」
「それじゃあね」
そうするとだ、咲は父に答えた。そうして実際に次の日に原宿に行った、どの店かは既に愛本人からラインで聞いていた。
それでラインで愛本人に行っていいかと聞くといいと即答で返事が来た。そうして三時位にだった。
店に行くと店の制服を着た長く伸ばした金髪でそこに赤いメッシュを入れてメイクも派手だが顔立ちやスタイルは咲そっくりだがより胸は大きく背も一六五位あり彼女より大人びている女性が店のカウンターから彼女に言ってきた。
「いらっしゃいませ」
「はい、それで」
「ええ、お仕事の時間もうすぐ終わるから」
「そうなの」
「三時だから」
仕事が終わる時間はというのだ。
「あと少しだからね」
「じゃあ待ってるわね」
「その前にね」
その女性小山愛は咲に笑って話した。
「うちのアイスをね」
「買っていい?」
「美味しいわよ、うちのアイス」
笑顔での言葉だった。
「だからね」
「ええ、それじゃあ」
「何か買っていってね」
「わかったわ」
咲は愛の言葉に頷いた、そうしてだった。
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