八話 攻略組への誘い
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をも散らしてしまうなどしてしまう場合がほとんどで、攻略にまで復帰できる者は稀だった。
トールもまた彼らとパーティを組むようになる以前に、レベリングを支援していたプレイヤーパーティを全滅させてしまうという経験をしていた。彼が下層プレイヤーに対し過剰なまでに安全を徹底した支援を行うのにはその経験が起因するところによる。
シュミットの調べが正しければ日頃快活な姿しか目にすることのないアルバもまたそんな経験をしているということだった。俄かには信じられずアルバの顔を覗き込む二人の視線の先には、感情を押し殺した、普段の彼からは考えられないような顔があった。
「――あんまり触れて欲しい話題じゃねぇな」
「すまない……だがそれだけの攻略に対する熱意のあるお前達だからこそ、うちに来て欲しいと思うんだ。お前達のようなやつが居ればあいつらだって何か感じてくれるかもしれない、どうか――《聖竜連合》に加わってはくれないか?」
低い声で呟いたアルバに詫びながらもシュミットは引かず、再度その求めを三人に訴えた。しばし沈黙の帳が落ちる中、アルバがふうっと溜め息を吐き、そこに気遣わしげな声をトールがかける。
「アルバ……」
「あー、そんなツラすんなよトール。少しおもしろくないこと思い出しただけだってだけさ、すぐ元通りになる。それより返事、任せるぜ」
「え……任せるって」
「俺はどっちでもいいぜ、シュウはどうだ?」
水を向けられたシュウは表情を明朗なものに戻したアルバと判断を委ねられ戸惑うようにしているトールとを交互に見ると、その問いかけに応じた。
「俺もトールに任せよう」
「そんな、俺の一存で決めるなんて……」
「トール、俺達の中で一番攻略の事を考えて努力してるのはお前だ。そのお前が選んだ選択なら俺達は納得できると言っているんだ。ずるいことを言ってるのはわかってるからな、遠慮なんてせずに決めてくれ」
その揺ぎ無い信頼が込められた言葉に抗論出来なかったトールはそのまましばしの間考えをまとめるように瞼を閉じていたがやがて、キッっと目を見開き、強い意思が感じられる瞳をシュミットへと向けた。
「シュミットさん、折角のお誘いですが俺達は《聖竜連合》に行くことはできません」
「――っ、どうしてだ?攻略組に参加するのはお前達の目的でもあるだろう」
食い下がるシュミットにトールは黙って首を振り、勧誘を拒否した理由を語っていく。
「俺達の目的はこのSAOのクリアであって攻略組に参加することではありません、そしてその為には俺達三人が攻略組に参加することよりも、もっと多くのプレイヤーが攻略に参加することが早道だと思うんです、たとえばこのコミュニティに参加している中層プレイヤー達のような皆が。そして俺達には先
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