八話 攻略組への誘い
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力を有効に発揮できるということになる。シュウが放った最後の重単発攻撃《ランメ・カノーネ》の一撃はその効果を最大限に生かしたものだった。
持ち前の筋力値による踏み込みと身体操作によりブーストしたスキルの威力、それがピークに達する瞬間に急所へと打ち込む、いわば二重の会心の一撃となる威力は計り知れないものになる。それを可能にする飛び抜けた三次元的攻撃精度こそがシュウが持つ最大の強みだった。
耐久度の確認を終えたシュウはメニューウィンドウを閉じ、解説を披露したアルバに向け軽く嘆息して見せながら苦言を呈した。
「アルバ、あまり人の手の内を語らないでくれ、マナー違反だぞ」
「悪りー悪りー、つい喋っちまった」
陽気に笑いながら悪びれた様子もなく返すアルバだが、そんな彼に慣れているシュウはそれ以上何も言わず目を閉じ薄く笑いまで浮かべる。デュエル直後にも関わらず余裕に溢れる少年達の姿にシュミットは目を瞬かせ、やがて何かを決心したように表情を引き締めていた。
* * *
鉱山跡地での諍いから一週間後、いつものように四十二層フェルゼン、エルキンの酒場で一日の活動を終えくつろいでいたシュウ、アルバ、トールの三人は珍しい客を迎えていた。回転椅子を回しカウンターに背を向けた三人はその来客――《聖竜連合》シュミットの目的が掴めず沈黙していたがやがて、シュミットの方から口を開いた。
「単刀直入に言おう、お前達……《聖竜連合》に来ないか?」
ギルドへの勧誘を意味するその言葉にシュウら三人は程度の差こそあれどそれぞれに驚きを顔に浮かべる。押しも押されもせぬトップギルド《聖竜連合》がレベルでは攻略組に及ばない彼らを自ら勧誘にくるというのはそれほど意外だった。
「悪い話じゃないはずだ、うちなら最前線近くでレベリングのサポートも出来るし、攻略組にもスムーズに加入できるだろう」
「……確かに悪い話じゃないな、しかしどうしてリーダー格のあんたがわざわざ出向いてまでレベル的には格下の俺達を勧誘しにくる?戦力に困ってるわけでもないんだろう、それにこの間の騒動で俺達にいい印象持ってないやつが結構いるんじゃないのか」
飲みかけのグラスを置き、シュウが疑問を口にする。鉱山跡地での一件もあり《聖竜連合》との対談は彼に任せるつもりらしくトール、アルバは口を挟まずじっと目の前の男を見るだけでいた。
「知っての通り、うちのギルドの方針は最強ギルドの立場維持に向いている、迷宮区の探索よりもレベリングや装備強化に活動が偏っているのは事実だ。
――だが最近ギルド内で攻略にもっと積極的に参加しようという人間が増えてきてるんだ」
ギルドの内部事情を躊躇い無く
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