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ソードアート・オンライン 幻想の果て
八話 攻略組への誘い
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心臓位置ならクリティカルヒットだ、しかもシュウなら――」

メニューウィンドウを開き今のデュエルで消耗した装備の耐久度を確認しているシュウを横目で見、アルバは彼の勝利を我が事を喜ぶかのように誇らしげな表情で解説を聞かせる。

「ソードスキルの一番《重く》なるポイントで当ててくる。威力のブーストも完璧だったしな、防御値低そうなその装備じゃとんでもないダメージになった筈だぜ」

システムアシストによりただ武器を振るう攻撃行為とは比べ物にならない威力を生み出すソードスキル。発動前に体の動きをソードスキルの流れに沿って動かし、力を加えてやることで威力を上乗せするスキル威力のブースト法というものが存在するが、ソードスキルにはもう一つパラメータに依らないプレイヤーの技量が干渉し得る要素があった。

狙い通りの場所に攻撃を運ぶ能力(エイミングテクニック)。ほとんどのプレイヤーは無意識に行っていることだが、いくらシステムアシストに従い体が動くといっても文字通りただ体が誘導されるがままに任せるのならば攻撃を目標に対し正確に当てることは至難の技だ。

しかしSAOには体に隙間の多い骸骨形モンスターも数多く存在している。そしてプレイヤーの中にはそんな空洞だらけの体躯から有効範囲を正確に、レイピア等の細い剣先によるソードスキルで突き穿って見せる者も数多くいるのだ、ならばそこにはプレイヤーの意思によりスキルを誘導することが出来る何らかのロジックが存在すると考えられるのは当然だった。

いかなる要素がその結果に影響をもたらしているのか、断定できるのはこのゲームの開発者である茅場晶彦ぐらいのものだろうが一部のプレイヤー達の間でまことしやかに囁かれているのが《ディティール・フォーカシング・システム》による誘導説である。

SAOに存在しているモンスター達には製作者側のこだわりなのか、攻撃の狙いに例外なく視線を向けるという特性があった。目という器官をもちあわせていないタイプのモンスターについてはその意識の向いている方向を感覚で判断するしかないが、そういった実例もありプレイヤーの視線に合わせて物体の解像度を変化させるこのシステムこそがソードスキルの追従性に影響を及ぼしているという説は一定の説得力を持って広まっていた。

そしてソードスキルの軌道を限定的とはいえ意識的に操作できるのならば可能になる事象があった。システムの補正を得られるソードスキルといってもいつどのタイミングで攻撃を命中させたとしても同じ威力を発揮できるというわけではない、武器を振り出した瞬間、連撃の切り返し直後のような瞬間には十分な力を加えられているはずもなく、攻撃が命中したとしてもまともなダメージは望めない。

逆にいえば十分に勢いが乗った状態で命中させることが出来たならそのスキルが持つ威
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