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Fate/imMoral foreignerS
始まりから夏休みまで
兄の話
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よな?」

強引なナンパめいたもの。
しかしその内容全てがひどい。
学歴を語り、親の七光りを自慢げに語り、さらにキャバクラに通っていることを誇らしげに話す辺り、ナンパの何が良くて何がダメなのか全くわかっていない
そんなやつのナンパに乗る気もない。

「…。」
「お栄ちゃん…?」

北斎は黙って歩き出す。
ポケットに手を突っ込み、恋のところまで近付くと、

「ほら、どうだ?お前が彼女を持つなんてなまい」
「じゃあ、おれァアンタでいう余程のバカらしい…ナ!!」

懇親の膝蹴りが、恋の股間にくい込む。
ミリミリとやばげな音を立て、北斎の膝は恋の急所を潰さんばかりの勢いだった。

「あ…ひぎっ…!?!?」

絞り出すような掠れた声を上げ、恋は悶絶する。
股間をおさえ、うずくまり彼は動かなくなってしまった。

「おれが好きなのはマイ自身だ。金とか頭がいいだとかそんなもんじゃねぇ。それと金輪際マイに…いや、この町に近づくな。もし近付こうもんならどうなるか。自称頭のイイアンタなら…分かるよナ?」

そういい、踵を返して北斎は舞の元へと戻る。
「帰るぞ。」とだけ言い北斎は彼の手を引っ張り、そそくさとその場を後にした。

「お栄ちゃん…。」
「話したいことはごまんとある。聞きたいこともだ。隠し事も全部べっどで吐いてもらうからナ。」
「その…ごめん。」
「…。」

勝手に出ていったこと、隠し事をしていたこと。
どれの謝罪かは分からないが、北斎は何も言わず帰路へとつく。

「ただな。」
「?」
「最後のはよく言えた…偉かったヨ。」

弱気な彼では言えなかったであろうあの言葉。
それは成長した証なのだろうと思い、北斎はそれは褒めてあげることにした。

?

「ってことがあったんだ。酷い話だろ?」

その日の夜。
恋はボロボロになり自宅へと帰宅。
しかし傷ついた心は癒えないので、最近通い始めたキャバクラにてその心を癒すため来ていた。
そしていつものお気に入りの嬢を指名し、今日あったことを多少の脚色をつけ、北斎と舞を悪者のように改変した話を自慢げに話していた。

しかし、

「えーでも、それってれんれんが悪くない?」
「え?」

お気に入りの嬢からの言葉は慰めではなく、相手の同情だった。

「なんでだよ。悪いのは家を出てった不良の弟で…!」
「出てったならほっとけばいいじゃん。そんで呼び戻そうとして殴られたんでしょ?」
「でも俺は兄としてちゃんと…!」
「出てく時、縁切ったんでしょ。ほっとけばいいのに…。」

仲がいいと思ってた子に同情して貰えない。
可哀想なのは自分なのに、怪我をしたのは自分なのに。
なのに何故この女は自分を慰めない?何故同情してくれな
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