HappyBirthdayを君に(暁切歌バースデー2021)
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だ……」
「でも、切歌ちゃんはきっと喜ぶよ。そこは保証できる」
「そうか……。2人とも、ありがとう。そうと決まれば、早速準備しないとな」
肩の荷が降りたような、晴れ晴れとした顔で。
飛鳥はスマホで何かを調べると、メモに書き込み始めた。
「調ちゃん、ちょっと聞きたい事があるんだけど……」
「いいですよ。切ちゃんのためですから」
「僕も手伝うよ。兄さんだけだと心配だし」
「だから一言余計だ」
流星と調は互いに目配せすると、飛鳥のスマホを左右から覗き込んだ。
ff
そして、4月13日の朝……。
「すぅ……すぅ……」
「切歌、もう朝だぞ」
「すぅ……すぅ……」
「きーりーかー、起きろ〜」
「すぅ……ですぅ……?」
「……早く起きないと、夕飯にピーマン入れるぞ?」
「デッ!?デデデッ!?あ、あああ飛鳥さんそれは勘弁デスよ!?」
「やっと起きたか」
慌てて飛び起きた切歌に、飛鳥は思わずクスッと微笑む。
「切歌、誕生日おめでとう」
「デス?……飛鳥さん、覚えててくれたんデスかッ!?」
「当たり前だろう?自分の彼女の誕生日を忘れるほど、僕は薄情じゃないぞ」
「真面目な飛鳥さんらしいデスね」
期待を裏切らず、ちゃんと誕生日を祝ってくれた飛鳥に、切歌も微笑みを返す。
「それで、飛鳥さんは何をプレゼントしてくれるデスか?」
ワクワク、ウズウズ。期待の視線が飛鳥に向けられる。
切歌の翡翠色の瞳を真っ直ぐ見つめ、飛鳥は悩み続けた答えを、切歌に打ち明けた。
「今日一日、君のワガママに付き合ってやる」
「……ほえ?」
「ごめん、言い直す……。今日一日、切歌とデートしたい。……ダメか?」
「なッ、なんデスとーッ!?」
予想外の答えに、切歌は思わず目を見開く。
「思えば僕は、君の事をそんなに知らない。だから、このデートを通して教えて欲しいんだ。僕はもっと、君の事が知りたい」
「飛鳥さん……」
「色々考えたんだけど、切歌が一番喜んでくれそうなものが浮かばなくて……。恋人なのに、僕はまだまだ切歌の事、全然知らないんだなって気付かされた。だから……切歌の好きな物、切歌の楽しい事、君の全てを教えて欲しい」
「……」
沈黙する切歌。それを落胆と捉えたのか、飛鳥は慌てる。
「い、嫌なら、その……遊園地のチケットは調ちゃんに預けておく。2人で一緒に……」
「嫌じゃないデス」
「え……?」
「今日の飛鳥さんは、花丸のごーかく、100点満点デスよッ!」
「うおっと!?」
次の瞬間、飛鳥は切歌に飛び付かれていた。
視界は天井に向き、背中にはベッドの柔らかい感触がある。
抱き着き、犬のように頬をスリスリしてくる切歌を見つめ、飛鳥は口を開く。
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