暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
HappyBirthdayを君に(暁切歌バースデー2021)
[1/3]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
「遂にこの日がやって来たか……」

カレンダーの一点を眺め、飛鳥は呟いた。

「兄さん、渡すものはもう決まったの?」
「き、決まったとも。もう明日だぞ!?」
「ちゃんと切ちゃんが喜ぶ物ですよね?漢字ドリルとか参考書みたいな、ガチガチの実用性重視とかだったら……刻みます」
「やめてくれ、顔が冗談に聞こえないぞ!?」

飛鳥にジトーッとした目を向け、淡々と呟く調。

調の肩に、流星はポンと手を置いた。

「調ちゃん、落ち着いて。いくら石頭で朴念仁の兄さんでも、そんな子供向けアニメのオチみたいな事はしないと思うよ」
「おい流星、それはどういう意味だ?」
「それもそうですね。飛鳥さん、失礼しました」
「調ちゃん?君も何を納得したんだい?」
「さあ?」
「ご想像にお任せします」
「ぐぬ……」

煽るようなニヤケ笑いで肩を竦める流星と、珍しく悪戯っ子のような表情を見せる調。

生粋の真面目さ故に女心が今一つ分からない、そんな兄を時折おちょくる弟と、それに乗っかる義妹(予定)。

切歌と調が大野兄弟と交際を始めてからは、それがよくある光景となっていた。

「だって兄さん、プレゼント全然決まらなくて焦ってたし」
「ウンウン唸って悩んでましたよね。『何をあげるか』ではなく『どんなものをあげるか』で」
「プレゼントの選択肢に実用性があるの、だいぶデリカシーが無いでしょ」
「新しい調理器具とか、わたしなら嬉しいですけど……切ちゃんはそういうので喜ぶタイプじゃないですよね?」
「わ、分かっているさ!だから、バランスボールとかリン〇フィットとか、そういう遊びながら運動出来るものをと思っていたんだけど……」
「「乙女に体重の話題はダメでしょ」ですよ」
「そこなんだよなぁ……」

容赦なく飛んで来るダメ出しに、飛鳥はガックリと肩を落とす。

ここ数日間の彼は、切歌へのプレゼント選びに悩むあまり、考え込んでいる時間が長くなっていた。

何を悩んでいるのか、周囲には筒抜けなのだが……幸い、当の切歌本人には全く気付かれていない。

もし気付いていたら、飛鳥は彼女から直接欲しいものを聞く事が出来るのだが、それはそれでサプライズが成立しない。

乙女心に鈍いと言えど、飛鳥も恋人を持つ男子の身。サプライズプレゼントで切歌を喜ばせたい、という気持ちくらいはちゃんとあるのだ。

「それで兄さん、結局何を渡すの?」
「考え抜いたんだけどさ……笑わないでくれよ?」

何日もかけて飛鳥が選んだプレゼント。
その内容(こたえ)を聞いた流星、調は……満足そうに微笑んだ。

「うん……いいプレゼントだと思う。今の飛鳥さんから渡すなら、きっとそれが一番です」
「兄さんにしては珍しく、満点の解答だね」
「一言余計
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ