ターン39 伝説の復活
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その幕が上がる時をしばしお待ちください』」
一礼してターンを終える鳥居。今回は人数が3人ということもあり普段行われることの多い盤面や墓地を共有するタッグデュエルのスタイルではなく、3人がそれぞれ別の盤面を持ち行われるバトルロイヤル方式でターンが動く。もっとも、事実上糸巻と鳥居がタッグを組んでいることを考えれば事実上2対1のデュエルであるのだが。
そして勢いをそのままに、ターンを引き継いだ糸巻が動き出す。
「悪いが爺さん、アタシもアンタが相手とあっちゃあ加減できるほど余裕はねえ。本気でぶっ飛ばさせてもらうぜ、アタシのターン!」
口調こそ勇ましいが、表情は険しい。カードを引き抜く手の動きにも、心なしか虚勢が混じっている。それほどまでに、伝説への畏れはかつてのプロデュエリストの心の奥深くに刻まれ、この老人が表舞台から消え場末のカードショップ店長となってからの13年のうちにも、それは肥大こそすれ減少することはない。
「相手フィールドにモンスターが存在することで速攻魔法、逢華妖麗譚−不知火語を発動するぜ。手札からアンデット族1体を捨てて、デッキか墓地から捨てたモンスター以外の不知火1体を特殊召喚する」
バトルロイヤル2番手の強み、それは相手がフィールドにカードを出しておらず妨害が薄いという先攻のメリットを享受しつつ、それでいて後攻特有の相手フィールドに依存する初動が打てること。墓地にあってこそその力を発揮する馬頭鬼を墓地に送り込みつつ、先を見据えての展開が始まった。ゆらりと立ち上るオレンジ色の炎が人型をなし、和装に身を包む青年剣士が腰の刀に手をかけて居合の構えをとる。
不知火の武士 攻1800
「武士……?面白い。続けてもらおうか、糸巻の」
墓地からアタッカーを蘇生するというのでもなければ、基本的に不知火語のカードは初動札、不知火の隠者をリクルートしてさらに自身の効果に、そして更なる墓地肥やし能力を持つユニゾンビへと連続リクルートを繋げるのが不知火のみならずアンデット族全般の基本パターンであり、当然それは七宝時も熟知している。だが糸巻は今回、あえてそれとは違う手を打った。それをミスではなく何か別の思惑があるのだと即判断したのは、長年の付き合いからくる信頼ゆえか。
「さて、な。そんな面白いもんが出せるかどうかはわからんが、せいぜい爺さんのお眼鏡にかなうようにやらせてもらうさ。不知火の武部を召喚し、効果発動。デッキより妖刀−不知火モンスター1体を特殊召喚する。来な、妖刀!」
次いでもうひとつ、明るい色の炎がぽっと立ち上る。次いで現れたのはどこか武士と似通った装束の和装少女。しかし決定的に違う点として、その手に握られた得物は刀ではなく巨大な薙刀だった。
不知火の武部 攻1500
妖刀−不
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