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遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン39 伝説の復活
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敵との死闘はその勝負勘からデュエルポリスとしての生活の間にすっかり腕を鈍らせていた錆を落としきり、今の糸巻はあの当時をも上回る今が全盛期だと認めることすらやぶさかではない。そしてその隣の鳥居の腕のほどやそれを本番でいかんなく発揮してのける勝負強さとクソ度胸も、やはり彼女は高く買っている。
 だが、それでもなお、目の前のこの老人には。一切のハンデがないこの状態で純粋に2対1で殴り掛かって……それでもなお、確実に勝てるかと問われれば躊躇する。

「恐れるがいい、そして畏れるがいい。『グランドファザー』、七宝寺守のデュエルをね」

 どうせすぐに終わるんだ、それまでせいぜい足掻いてみるがいい。

「『くっ……それでは全ての始まり、未来を掴む第一幕。まずはレフト(ペンデュラム)ゾーンにスケール0、世界に誇る我らが歌姫!魔界劇団−メロー・マドンナを。そしてライトPゾーンにはスケール9、まばゆく煌めく期待の原石!魔界劇団−ティンクル・リトルスターをセッティング!』」

 そしてその始まりを司るのは、立ち昇った光の柱の中央で佇む黒衣に身を包んだ女性。まるで指揮棒を振り上げるかのように鳥居が手を伸ばす動作に合わせて光の中で息を吸った歌姫の口から、妙なる調べが流れだす。

「『メロー・マドンナのペンデュラム効果を発動。我らが歌姫がこの戦場に奏でる調べは、はたして勝利を暗示する凱歌となるか、はたまた破滅に向けた鎮魂歌となるか。1000ポイントのライフと引き換えに、デッキより新たなる魔界劇団の演者を1名私の手札に呼び寄せます!』」

 鳥居 LP4000→3000

 コストがかさむとはいえ毎ターンのサーチという、極めてシンプルで、強力で……そして同時に、この上なく分かりやすい止めどころ。何か妨害が来るか、とわずかに身構えたが、その心配は彼の杞憂だったようだ。

「『そして私が選ぶカードは、やはりなんといっても外せません。彼こそが魔界劇団の顔にして、この大一番を戦うにあたり最も相応しい演者の中の演者、言わずと知れたあの男。それでは皆様お待たせしました、満を持しての登場です。刻まれしスケールは0と9、よってレベル1から8の魔界劇団が同時に召喚可能。ペンデュラム……召喚っ!』」

 大仰に両手を広げ、手元に残る3枚のカードを一斉にデュエルディスクに叩きつけるように置く。無論、彼が自らの商売道具であり5本目、6本目の手足ともいうべきカードが痛むような真似をするはずもなく。
 いかにして最小限の刺激で観客をはっとさせるような音を響かせるか、つまりカードの下部にどれだけ多くの空気を含ませて叩き付けるか。要するにメンコと同じ小手先の、しかし大切なテクニックである。
 そして彼の両サイドに立った2本の光の柱の間から、3つの光が降り注ぐ。

「『
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