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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
閑話 神父と兵卒
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だからこそ脱走者でも就けたんだろうが。
同年6月
アイツのいっていたオカルト話に巻き込まれそうになった。ヤベえよ。何だよアレは。戦車の主砲の直撃を受けてもビクともしないわ、何も無い所から砲撃みたいなの撃つわ、訳のわからんものばかりだった。結果的にはそれのお陰でこっちの戦線は持ったけど正直冗談じゃねえな。
同年7月
俺はオカルトの犠牲者の一人になった。訳分からんもんにぶっ飛ばされて脚の骨や肋骨が折れたらしい。こうなった輩の大概は前線から帰らされる。そんで田舎に帰るのが普通だ。笑えねえ。
******
「あっ?何だって?」
神父の奴が見舞いに来てまたオカルトやら何やらの話をしにきた。
「ですから私ならあなたを治療できるやもしれぬ、といったのだが」
「あー、またいつものオカルト話な。そういうのはあるって分かったし出来るんだろうけどよ、いらねえよ。そんなもん」
そういや、俺コイツのこといつも神父神父いってるけど結局名前もしらねえな。
「何故なんです?あなたの目の前に助かる方法があるというのにそれに何故縋ろうとせんのだ?」
「そりゃあオカルトが在るのは知ったけど俺は普通に生きてたいんだよ。オカルト何ざ真っ平ゴメンだ。この傷でも実家の田舎に帰ってやれる仕事何ざいくらでもあるしな」
普通に生きて普通に死ぬ。人間生きてりゃ知らないほうが良いってもんもたくさんあるだろうよ。
「だがその考えは矛盾しています。既に知ってしまっている以上、それに頼って生きていくのが普通だろうに。普通なんてものはそもそも自分を基準に決めるべきものでしょうし」
そっからまちがってるだろう。普通ってのは俺からしたら社会が決めるもんだし。何より、
「矛盾してて何が悪いのさ。別にいいだろ。世の中は矛盾で罷り通ってることなんざぁいくらでもあるんだからよ」
笑ってそう言ってやった。
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