第125話
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ルシエルの説明を聞いてある疑問を抱いたプリネはルシエルに質問した。
「敵軍はメンフィル帝国がゼムリア大陸に進出するまでかつては”大陸最強”の異名で呼ばれていたのですから、城館に通じる”抜け道”――――――地下水路の存在を見落とすといった拠点防衛の”基礎中の基礎”を怠るような愚かな事はしていないはずですからその為の対策です。」
「フフ、なるほど。城館を攻略する部隊をルーレの時よりも増強している理由は地下水路自体、もしくは地下水路の出入口付近で配備されていると思われる守備兵達を迅速に制圧する為もそうですが、城館の守りについていると思われる”将”が相当な手練れですから、その対策でもあるのですわよね?」
ルシエルの”策”の内容を知ったミュゼは静かな笑みを浮かべてルシエルに自身の推測が当たっているかをルシエルに確認した。
「城館の守りについている”相当な手練れな将”というと……」
「”光のガウェイン”――――――アルゼイド子爵閣下か………確かに”光の剣匠”が相手となると、こちらも相応の戦力を揃える必要があるな………」
「しかも”紅き翼”が介入してくる事も考えると、城館を攻略する部隊はそっちにも戦力を割く必要があるものねぇ。」
「フフ、ヴァイスラント(われら)としてはレーグニッツ知事もそうだが、皇妃殿下のお二人は”保護対象”であり、お二人が我らの”保護”を受けるかどうかはお二人の”意思”に任せるつもりの為、皇太子殿下達が介入してお二人を保護した所で支障はないのだが、ヴィクター師との戦いに邪魔が入る事はそちらにとっても”本意”ではないのだから、皇太子殿下達を阻むのも仕方がない話ではあるな。」
ミュゼの問いかけを聞いたプリネとリィンはそれぞれ複雑そうな表情で考え込み、レンはやれやれと言った様子で肩をすくめて答え、オーレリア将軍は苦笑しながら指摘した。
「ちなみにリィンお兄さん。光のガウェイン――――――いえ、”光の剣匠”が阻んで来た場合、”本気で殺す”つもりで挑むのかしら?」
「……………―――――はい。”光の剣匠”はこちらが”手加減”できる程の相手ではありません。”手加減”等すればそれこそこちらに甚大な被害―――――重傷者もそうですが”死者”が出る事は容易に考えられます。勿論子爵閣下に勝利した後子爵閣下が生存していたのならば捕縛に留めますが……子爵閣下と戦う際は一切の容赦はしません……オーレリア将軍閣下もそうですが、ラウラにも申し訳ないと思っていますが、自分は”灰獅子隊の軍団長”として仲間達の犠牲を防ぐ為にもその考えは曲げられません。」
意味ありげな笑みを浮かべたレンの問いかけに対して少しの間目を伏せて考え込んでいたリィンだったがやがて答えが出ると目を見開いて決意の表情で頷いて答えた。
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