暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第75話:祭りを楽しむ者達
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徒や客も颯人の手品に目を奪われていた。
周囲から感じる視線に、颯人は楽しそうに笑みを浮かべながら指を一本ずつ立てる。
「行くぞ。よ〜く見とけよ? ワン……ツー……スリー!」
三つ数えて颯人がサッと子供の掌の上からハンカチを退かすと、そこには先程は無かったロボット――時々玩具コーナーで見かけるこれと言って原作の無いオリジナルの飛行機に変形するロボット――が乗っていた。
その光景に子供は勿論、周囲の生徒や客も驚きに包まれる。
「わっ! 見てママ! 本当にロボットが出てきた!」
「え、えぇ……あらぁ……」
「ハハッ! そいつは君にやるよ坊や」
「ありがとう、お兄ちゃん!」
先程まで退屈そうにしていたのが嘘のように笑顔で颯人に頭を下げる子供。母親もそれに遅れて彼に感謝し、颯人は手を軽く振って応えた。
そして周囲から湧き上がる歓声と拍手。突然目の前で起こったプロ級の手品に、周囲の人々は完全に魅了されていた。
その騒動は当然教室内にも響き、部屋の中からは翼を始めとした給仕の生徒達が何事かと顔を覗かせた。
「な、何々? 何が起こったの?」
「この近くで拍手が起こるような催し無かった筈だけど?」
「…………まさか?」
何が起こったのか分からないと言った様子の生徒達の中で、唯一翼だけは騒動の原因に予想がついていた。彼女の知る限り、こんな所で突然歓声と拍手を上げさせる人物など1人しか存在しなかった。
教室の入り口からトーテムポールの様に縦に並んで顔を覗かせる翼と他の生徒達。その視線の先で、生徒や一般参加の客に紛れてチロリアンハットを被ったスーツ姿の颯人と一応の変装をした奏の姿を見つけた。
自分の予想が当たった事に、翼は額に手を当て天井を仰ぎ見た。
予想外な翼のリアクションに、他の生徒達は何事かと彼女に問い詰めるが彼女はただ一言『気にしなくていい』とだけ答え教室の中に引っ込んでいった。
その後、徐々にだが客は捌け列は徐々に進んで行く。その途中、颯人と奏が並んでいる間は何度か廊下で歓声と拍手が上がる事になるのだが、それはまた別の話である。
***
「よっしゃー!」
一方透は、催し物の合間で休憩が取れたクリスと共に学際を回っていた。
今は2人で射的をしている所で、透も結構いいスコアを出したが戦闘で何時も銃を撃っているクリスには及ばない。差をつけて透に勝った事に、クリスは童心に帰って喜んでいた。
「へへっ! どうだ、透!」
純粋に祭りを楽しんで満面の笑みを浮かべるクリスに、透も心から楽しそうに笑っていた。
因みにクリスを透が迎えに来た時、クリスのクラスは軽く騒ぎになった。明らかに彼氏面してクリスを迎えに来た透の
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