暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第75話:祭りを楽しむ者達
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いう事で、主に奏が楽しみにしているのだ。
程なくして2人は翼のクラスの催している喫茶店に到着した。喫茶店となっている教室の前にはそれなりに長い列が出来ている。心なしか、その列はここに来るまでに見てきた他の教室に出来ている列よりも長い。やはりあのツヴァイウィングの片割れである翼が給仕をしているとあって、ファンが集まっているのだろう。
大人しく並ぶ2人だったが、こうして待っている間はやはり退屈だ。そうなると自然と2人は取り留めも無い会話が始まる。
「そう言えば、奏もリディアン通ってた頃は学際やったんだよな?」
「当たり前じゃん。折角の祭りをすっぽかすような事しないよ」
「因みにだけど、お前の頃は何やってたんだ?」
奏の思い出話に颯人は興味津々だ。
彼女が学生として曲がりなりにも人生を謳歌している時、颯人は海外でジェネシスとの戦いに明け暮れていた。自分が楽しめなかった学生としての青春を、奏がどの様に楽しめていたのか純粋に興味があった。
2人は話題に事欠かなかったので待ち時間を潰すのも容易であったが、列に並んでいる一般参加の人の誰もがそうであるとは限らない。特に親や年上の兄弟姉妹が翼のファンと言うだけで付き合わされる形となっている子供にとっては、この長い行列は苦痛以外の何物でもなかった。
「ねぇ〜、まだ〜? もう疲れたよ〜」
「もうちょっと待ちなさい。ね?」
現に2人の後ろに並んでいる母親らしき女性に連れられている子供なんかは、退屈と疲労でぐずり始めている。
自分の背後で退屈に悲鳴を上げる者が居る。その状況を、この男が黙って見ている筈がなかった。
「ふむ……坊や? ちょいと手を出してごらん」
「え?」
「いいからいいから。面白いもん見せてやるよ」
「あ、あの――?」
「大丈夫大丈夫、心配しなくてもこいつに任せとけば問題ないですから」
突然声を掛けてきた颯人に困惑する母子。母親は不安と同時に不審を感じているようだったが、颯人を信頼している奏はそれを宥めて彼のやりたい様にさせた。
その2人の前で、子供が出した手に颯人が白いハンカチを被せる。
「なぁ坊や? 今ここにさ、風船で出来た犬とか出てきたら面白いと思わねえか?」
「え〜、犬〜?」
「あらら? 坊や犬嫌い?」
「犬よりロボットの方が良い〜」
「男の子だねぇ。よし良いだろう。ならお望み通り、ロボットを出してやろう」
子供からの要求に対し、颯人は少しも困った様子を見せない。母親は最初こそ不安そうに見ていたが、次第に颯人のエンターテイナーとしての雰囲気に呑まれたのか純粋に彼のパフォーマンスの行く末を見守っている。
いや、彼女だけではない。気付けば他の列に並んでいる客や、並んでいる訳ではない偶々通りすがった生
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