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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第75話:祭りを楽しむ者達
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「何がどうしてあんな恰好で連中に与する事になったのかまでは分からんがな。ま、凡その見当はつくが……」
そう言うとウィズは腰掛けていた椅子から立ち上がった。フィーネ……延いてはジェネシスは着実に動いている。指を咥えて見ている訳にはいかない。
「この事、何より彼の事……颯人達には?」
ジェネシスが絡んでいる事で只でさえ複雑な敵側の事情が、更に複雑化している事にアルドは情報共有の必要性を暗に訴えた。この情報は彼らにとってある意味助けになるかもしれないからだ。
しかしウィズはそうは考えなかった。それは情報共有を蔑ろにしている訳では無く、ソーサラー側の事情を考慮しての事である。
「いや、今は止めておく。ここでソーサラーが怪しい動きをしている事を連中に悟られると面倒な事になる。今は颯人達にもソーサラーを敵として扱ってもらう」
「大丈夫でしょうか?」
「心配いらんだろう。ソーサラーの正体が奴であるなら、颯人達が相手でもそう易々と後れを取る事は無い筈だ」
それだけ告げるとウィズは部屋を出て行った。アルドは彼が出て行ったドアを見つめ、大きく溜め息を吐くとベッドに倒れ込んだ。
「…………私が心配しているのは、そこではないんですよ。分かっているクセに……」
***
その日、新校舎に移転したリディアン女学院には学生以外の多くの人が訪れていた。
今日はリディアン女学院で学際が行われる日。故に学院には生徒だけでなく、一般の観客なんかが多数入り込んでいた。
響達学生組はこの日の為に準備し、運営する側としても見学する側としても楽しんでいる。
勿論楽しんでいるのは彼女達だけではない。颯人と奏だって一般参加として見て回っているし、透もクリスの空いた時間に2人で満喫する為にやって来ていた。
奏はOGとして、一応変装して颯人をエスコートしていた。と言っても校舎は以前の騒動で崩壊して新しいものになってしまっている為、奏自身内装など始めて見るものばかりで碌にエスコート出来ていなかったが。
「え〜っと? こっちがこうだから……」
「こう行けば良いんじゃねえか?」
「あ、そっか」
そんな訳で途中から奏は颯人のエスコートを諦め、2人揃って案内の地図を片手に色々と見て回っていた。最初こそ奏が見栄を張ろうとしていたのだが、逆に無様を晒す結果になれば颯人に揶揄いの材料を渡す事になってしまうので早々に観念していた。人生、時には諦めが肝心なのである。
2人が今向かっているのは翼のクラスが催している、和装喫茶というものだ。店員を務める学生は店名通り全員が和装に身を包み、出される飲食物も和のテイストと言う徹底したものらしい。
和装に身を包んだ翼が給仕をしていると
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