クリスマス
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た。
「いらっしゃい二人とも。ちょっと待っててね」
ハルトはカップルに注文のケーキを差し出した。二人はマヤとメグに構うことなく、二人の世界に没頭している。
「ココアちゃん! マメコンビが来たよ!」
「「マメコンビ!?」」
「はーい!」
ハルトの言葉に、ココアが目を輝かせながら厨房から出てきた。
「いらっしゃい! マヤちゃん、メグちゃん! 私の可愛い妹たち!」
ココアは人目も憚らず、二人に抱き着く。チノと違って、この二人はココアになされるがままにモフモフされていた。
「ココアちゃん、モフモフするのはあとにして! あ、お待たせしました。ご注文は?」
「ドリップコーヒーとケーキセットお願いします」
「畏まりました。ココアちゃん!」
「モフモフ……」
「……チノちゃん! ドリップコーヒーとケーキセット!」
「分かりました。……大変です。コーヒー豆が……」
「私取ってくるよ!」
可奈美がいそいそと、カウンターから出ていった。裏の倉庫に取りに行ったのか、と頷いたハルトは、ココアの襟首をつかむ。
「あ」
「はいココアちゃん。今はお仕事の時間。二人ともごめんね。上で待っててもらえるかな」
「手伝うよ?」
マヤから嬉しい申し出があった。
「お? いいの?」
「うん!」
「助かるね」
「持つべきものは、友と妹だね」
いつの間に厨房に戻ったのか、ココアが開いているカウンターにケーキを置いた。
「はい。これサービス」
ココアが持ってきたそれは、クリスマス限定で作ったケーキ。三段に重なったホットケーキに、クリームとバナナ、ストロベリーをデコレーションしたものであり、上には生クリームとバニラアイスが乗っている。
目を輝かせたマヤとメグは「美味しそう!」と言い、
「「これ食べたら頑張る!」」
と宣言した。
「いきなりおサボりさん!?」
「神経太いな。でも、座席をあんまり身内に割きたくないから、上で食べてもらったら? 俺の部屋でもココアちゃんの部屋でもいいから」
「「はーい」」
二人の少女はケーキを持って、店の奥から居住フロアへ上っていった。
「やれやれ。結局労働力増えずか」
ハルトはため息をついたが、一息つく暇もなく、次のお客さんから呼ばれた。
「すまない、まだ時間あるか?」
「いらっしゃい……ああ、リゼちゃん」
次にラビットハウスに来たのは、リゼだった。暖かそうな群青色のコートを着た彼女は、ラビットハウスの混雑___それこそ、マヤとメグが来た時とは比べ物にならないほどに混み入っている___に言葉を失った。
「おお、ハルト。すごい人だな。手伝おうか?」
「助かる。えっと……」
「気にするな。
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