第ニ話『マスターは嫉妬する』
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「アサシン」
つい先日召喚したばかりのルーラーこと天草四郎時貞。別時空でのセミラミスのマスター。
「何用か、ルーラー?」
「いえ、大した用事ではないのですが......」
天草くんのセミラミスに対する感情がひしひしと感じられる。
「言いたいことがあるのならはっきりと申せ」
「あの、口づ「あぁあああ!?!汝、話したいことがあるならあっちのロビーで話そうではないか!」
セミラミスは天草くんの口を塞ぐとあっちのロビーまで連れ去ってしまった。
(うぅ.......気になるな)
彼女が元彼と再開してちょっとあっちで話してくるね、大丈夫だから?並に大丈夫じゃない状況にドギマギする。
(.......ふぅ)
ダ・ヴィンチ工房のマナプリ返還セクションを見ながら心を落ち着かせよう。平行世界のカルデアで新選組の二人組(副長と切込み隊長)のいちゃいちゃに堪えられず「マナプリにしたよ?」なんて狂気的な目で語ってきた藤丸立花くんの気持ちが今なら少し分かる。
「うん、邪魔ならマナプリにすればいいよね(ヤンデレ感)」
人類救済なんて現在進行中で俺が成し遂げようとしてるんだから聖人なんて及びではないことを思い知らせてやろう。
「ふふふ、ふはは!!!」
「汝は何をそんなにバカ笑いをしておる?」
一人で笑っているとセミラミスが帰ってきた。
「あぁ、ちょっと嫉妬しただけだよ。」
「嫉妬!?」
セミ様って意外と真正面に攻めると弱いんだよね。そこらの軟弱マスターと俺を一緒にしてくれるなよ?俺はノクターンに小指が入るくらいには出来る男だからね。
「セミラミスはやっぱり天草くんがいい?」
とは言え、やっぱりセミラミスの事が一番な自分は彼女の感情を優先させてしまうヘタレでもあるのです。
「はっ、何を呆けたことを申すと思ったら_________」
女帝は胸を張り自信満々にこう答える。
「______汝が我のマスターであろう?」
「_____確かにそなたとは以前の世界で縁があったのだろうよ。記憶には記録はされている。されど、我には既に決めた男がいる。」
「それは_______マスターでしょうか?」
「ふ、どうであろうな。だが_________________________そうなのであろうな」
心底照れたように美しい微笑を見せるセミラミス。
「良かった________貴方が幸せなら、私は満足です。」
天草はニコリと笑うと席を立ち上がり自室へと戻っていく。セミラミスは雲が晴れたような表情でマスターの元へ戻っていくのであった。
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