ムー大陸
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たいな姿、とても尋常じゃなかった。あれで、もしかして響ちゃんの体を壊したりするのかな?」
「本来ならば、取り込まれた時点でベルセルク……サンダーベルセルクになり、そのまま死ぬまで暴走するはずだ。だが、彼女は無事だ。シンフォギアというものの特性なのか、それとも彼女自身の器が成せる業なのか」
「そっか……じゃあ、当面は心配ないんだね?」
「おそらく」
だが、彼らが話している間、ハルトはもう一人の当事者のことを思い出していた。
「キャスター。あいつは……ソロのことは、何か知らないか?」
「……」
その名前に、キャスターは目を細めた。
すると、可奈美が後ろからツンツンと、ハルトの肩を小突く。
「ハルトさん。ソロって?」
「可奈美ちゃんも会ったんでしょ? 突然襲ってきた、黒と紫の戦士」
「ああ……あの人、ソロって言うんだ……」
可奈美は目を少し大きく見開く。
「もしかして、ハルトさんも?」
「さっき戦った。俺とコウスケは、遺跡に行ったんだけど、そこがムー由来の遺跡だったらしくてさ。そのオーパーツを巡って、ソロと戦ったんだ」
「そうだったんだ……」
「彼のことは、私にも分からない。だが、あの姿は……」
キャスターは目を閉じる。
「知ってるの?」
「……ブライ」
「ブライ?」
彼女は頷く。
「ムーの戦士の名前だ。どこかの遺跡で、ムーの遺産を手に入れたのだろう。私も直接見るのは初めてだが」
「ブライ……」
その名前に、可奈美は顔をしかめた。
ハルトは続ける。
「あいつも、聖杯戦争の参加者みたいだった。サーヴァントはまだ召喚していないみたいだけど、これから先、あいつも俺たちの敵になるかもしれない。……キュゥべえが、最大の敵になるみたいなこと言ってたけど」
「あの人の剣……今まで受けてきた剣と、何かが違っていた」
「何か?」
可奈美は、自らの右腕を抑えた。
「何か……ほら、私たち……剣を使う人って、誰でも相手と打ち合ってこそ、強くなるものでしょ? それが敵にしろ、味方にしろ」
「ああ、そうだね」
ハルトのウィザーソードガンの腕も、ファントムと幾度となく戦ってきたからこそ磨かれたものでもある。可奈美の剣も、見滝原で生活を始めてから何度も見てきて、その分彼女の腕も上がったのを感じている。
「でも、あの人の剣は違う。自分だけを信じて、自分以外の全てを拒絶する剣だった。あの剣は、ワクワクと同じくらい……冷たい剣だった」
「……」
「……待て」
キャスターが、可奈美を直視している。
「お前は以前、ブライと戦ったのか?」
「え? うん。多分、そのシノビのオーパーツ? っていうのを持っていかれたと思う」
「……」
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