第六百八話 大した問題ではないその九
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「それでもね」
「牛の権利はちゃんとあるから」
「だからね」
それでというのだ。
「殺すどころか傷付けてもね」
「罪に問われるのよね」
「傷害罪になるよ」
牛に対してもというのだ。
「立派にね」
「だから殺して食べさせたら」
「もう人間の肉食べさせる様なものだから」
マウリアではというのだ。
「何しろ神様の使いだからね」
「農業に仕えてミルクも出すし」
そして糞は肥料や燃料にもなるのだ。
「こんないい生きものを殺すなんて」
「論外なのよね」
「マウリアではね、だから食べるなんて」
マウリアこの場合はヒンズー教ではというのだ。
「ないよ」
「だからカレーにもないわね」
「映画の中でもしょっちゅう出て来たし」
エキストラとしてだ。
「流石に踊らなかったけれど」
「歌うこともね」
「しないけれど」
それでもというのだ。
「映画にも普通に出てキャストにもね」
「出てたわね」
「字幕で書いてあったよね」
「ええ」
牛のそれもというのだ。
「モブにしても」
「キャストに出てるね」
「それも結構な数でね」
「しかもギャラもね」
「出てるのね」
「飼い主の人にね」
トムはエイミーに話した。
「そうなっているんだ」
「そうなのね」
「ちなみに牛を捨てたら」
「犯罪よね」
「連合でも飼ってる生きものを捨てたらね」
犯罪となる、最悪死刑となる重罪である。尚保健所に捨てるにしてもしっかりとした理由でしかも法的手続きを取らないと認められない。かつ保健所に送られた生きものは彼等を飼育する為に用意された惑星で育てられる。
「犯罪だけれど」
「マウリアでもで」
「特に牛はね」
この生きものについてはというのだ。
「人間と同じだけのね」
「罪に問われるのね」
「そうなんだ」
「牛も市民だから」
「それでね」
その為にというのだ。
「かなりの罪に問われるよ」
「牛はれっきとした市民なのね」
「何か人よりも牛が多いって話もあるけれど」
マウリアではというのだ。
「兎に角大事にされていて」
「それでなんだ」
「そう、そしてね」
「キャストにも入っているんだ」
「そういうことね」
「確かにエキストラでね」
その扱いでというのだ。
「歌も踊りもないけれど」
「俳優さんに数えられているのね」
「しっかりとね」
「成程ね」
「これもマウリアだからだね」
「そういうことね」
「やっぱりね」
「ううん、何かとマウリアを観たよ」
シッドは兄にここで言った。
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