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おぢばにおかえり
第六十三話 お家に帰ってその十七

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「志高いわよ」
「おみちの人としてはですね」
「会長さんは大変だから」
「一つの教会を預かっているだけあって」
「そう、その会長さんを支えるのがね」
「奥さんですよね」
「奥さん次第でね」
 どの教会でもそうです、このことは。
「随分違うから」
「先輩なら物凄くいい奥さんになりますよ」
「有り難う、そうなる様に努力していくわね」
「是非。ただ」
「ただ?」
「僕も先輩に釣り合う人になりますね」
「何で私と釣り合うの?」
 何故かここでしまった、と言った阿波野君に突っ込みをいれました。どうしてそんなお顔になったのか不思議です。
「そこで」
「何でもないです」
 阿波野君はお顔を真っ赤にして否定しました。
「気にしないで下さい」
「そうなのね」
「はい、それと」
「それと?」
「阿波野君が会長さんを目指してくれるなら」 
 それならです。
「いさんでいってね、ずっと」
「会長さんにならせてもらうことが目的じゃないです」
「そこからよね」
「まだ具体的にどんな会長さんになるかは考えられないですが」
「高校生でそこまで考えられないわよ」
 そんなことが出来たら本当に凄いです。
「だって私もね」
「どんな奥さんになるかはですか」
「まだ考えられないから」
 そこまではです。
「教会を継ぐことは考えていても」
「それでもですね」
「そこまではね」
 とてもです。
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