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戦国異伝供書
最終話 話が終わりその八

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「ですから」
「ですが学ばれれば」
「それは捨丸や拾にお願いします」
「そうですか」
「学ばせたいです」
 ここでもこう言うのだった。
「その様に」
「そうですか」
「はい、しかし泰平になれば」
 羽柴はしみじみとして語った。
「こうしたことも色々考えて言えるので」
「よいですな」
「まさに泰平こそが最高です」
「全くです、ではこれからは」
 家康も言ってきた。
「共にです」
「はい、天下万民の為に」
「この泰平を守っていきましょう」
「それでは」
 羽柴も応えた。
「そうしていきましょう」
「上様が来られました」
 ここで蘭丸が部屋に入って一同に言ってきた。
「ではこれより」
「宴ですな」
 家康は蘭丸にも応えた。
「今から」
「はい、それでは」
「皆様参りましょう」
 家康は一同に温和な声で話した。
「宴の場に」
「さて、飲んで食べて」
 羽柴はその家康に応えた。
「楽しみますか」
「そうされますな、羽柴殿も」
「そうします、ですが上様は」
「酒は飲まぬぞ」
 信長が言ってきた、見れば笑っている。
「この度もな」
「上様、こちらに来られましたか」
「ははは、驚いたか」
「まさかと思いましたから」
「この歳になるがわしはやはりこうしたことが好きだ」
 信長は羽柴に笑って述べた。
「だからな」
「それで、ですか」
「宴の場に来るよりな」
 その前にというのだ。
「ここに来た」
「そうでしたか」
「奇妙達は行かせたがな」 
 嫡男である信忠達はというのだ。
「わしはな」
「ここに来られて」
「少しお主達を驚かせたのじゃ」
「そうでしたか」
「これも宴の一興、ではな」
「これよりですな」
「宴を思う存分楽しむぞ、よいな」
 信長がこう言ってだった、皆宴の場に向かった。こうして誰もがこれまでのことを思い出すことからこれからのことに向かった。天下泰平に。


最終話   完


戦国異伝供書   完


                    2021・1・20
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