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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第二十二話 戦奴と愚者
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いて何が悪いのだ』と。
その言葉を聞き届けたトリファ。ああ、確かに矛盾していて何が悪いのだ。元より黒円卓に連なるものなど当の昔に矛盾しているではないか。揺れを見せた精神は最早無い。揺れ動いたことにこそ恥じる。確かに自身が最も脅威と断ずる者の相手を過小し、その鍍金でしかない自身には絶対的な力を信奉する。大した矛盾だろう。だが、だからどうした。
「私はかつてあの子達を救えなかった。故に罰。私は永劫苦しまなくてはならない。救いなどいらぬ。祝福は遠ざかっていけばいい。矛盾していようとも構わない。元よりこの場にいる者は皆、己こそが正しいと断じているのだ。故に私はたった一人、どこまでも歩き続ける。永遠に!」
揺らぎなど見せぬとばかりに聖槍が放たれる。明確にその必中の槍は確実に目標を貫こうとしていた。だが果たしてヴァレリアは気が付いているだろうか。クラウディウスが抜け出したということは当然―――
「僕自身の手は空いてるということだ。ゲッツ殿も言っていただろう、聖戦だと。些か歪曲した捕らえ方だがこれは戦争なんだ。後ろから撃たれることは覚悟したほうがいい」
アルフレートの腰に差していた飾り言わんばかりの銃によって撃ち抜かれる。結果、彼の集中は途切れ聖槍は目測が狂いマキナの肩を掠める程度にずれが生じる。その槍に恐れなど懐かず、いや元より当たるなどとは思いもせずマキナはその歩みを止めずにヴァレリアを打ち砕いた。
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