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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第二十二話 戦奴と愚者
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ラウディウスなどでは誰であろうとも単体では三騎士にも今のアルフレートにも
敵
(
かな
)
いはしない。地力の差は元より相性という面でも誰が如何組み合わせようと一対一では勝てないのだ。それでもヴァレリアはテレジアを救うことを考慮した上でこれしか手は無かったのだ。
三騎士、或いはアルフレートのうち誰か一人を斃し、防備の薄くなったテレジアを救う為に。
「貴方のようなハイドリヒ卿に従うだけの戦奴には分かりませんよ。例え敗するものだと理解しても選択せねばならぬ時があるなど」
「そうか……ならば、望み通り貴様の幕を終わらしてやる。これが三つ目だ。俺の
創造
(
かつぼう
)
を前にお前はどんな時間稼ぎも出来ん」
時間を掛けるなどという愚策を犯しはしない。決めるならば最大の火力で最短の決着を決める。
「死よ 死の幕引きこそ唯一の救い (Tod! Sterden Einz' ge Gnade! )」
その拳に幕引きの一撃が宿りだす。ヴァレリアは否応なく己の死を確認させられる。
「この 毒に穢れ 蝕まれた心臓が動きを止め 忌まわしき 毒も 傷も 跡形もなく消え去るように (Die schreckliche Wunde, das Gift, ersterde, das es zernagt,erstarredas Herz! )
この開いた傷口 癒えぬ病巣を見るがいい (Hier bin ich, die off'ne Wunde hier! )」
拳の触れたその一時にて総ての歴史を終わらせる。この場において防ぐ手立てなどありはしない。例え双首領であろうともこの一撃を真っ向から受け止めることなど出来はしない。
「滴り落ちる血の雫を 全身に巡る呪詛の毒を 武器を執れ 剣を突き刺せ 深く 深く 柄まで通れと (Das mich vergiftet, hier fliesst mein Blut: Heraus die Waffe! Taucht eure Schwerte. tief,tief bis ans Heft! )」
クラウディウスは己の首を絞めるアルフレートから逃れようとする。自分では誰にも勝つことが出来ないことを理解しているがゆえにヴァレリアを死なせてはならないのだと。自分の首が引き千切られても構わないとばかりに必死に抵抗する。
「さあ 騎士達よ (Auf! lhr Helden: )
罪人に その苦悩もろとも止めを刺せば 至高の光はおのずから その上に照り輝いて降りるだろう (Totet den Sunder mit seiner Qual, von selbst dann leuchtet euch wohl der Gral! )」
彼の持ちうる創造は団員内でも最上位に位置するものだ。そして現状のままでは
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