第四百五十七話 空美町の者達その十四
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「ずっとな」
「そうですか」
「ああ、しかし普通はな」
桐生はここで桜井を見てこうも言った。
「許さないんだよ」
「あいつを」
「君だけだ」
ミーノース、彼を許せたのはというのだ。
「俺はそのことは今も驚いてるよ」
「いや、ですから」
「君としてはか」
「はい、許すとか許さないとか」
そうしたことはというのだ。
「ないですから」
「だからか」
「はい、俺が決めることじゃなくて」
智樹はさらに話した。
「全部元通りにするなら」
「あいつもか」
「そう思いまして」
それでというのだ。
「あいつもです」
「蘇らせたんだな」
「そうしました、それからあいつは俺達に何もしてこないですが」
「復讐は言われているぞ」
「今もだ」
ハーピー1とハーピー2は言ってきた。
「ずっとな」
「しかしこれといって何もされない」
「実はもうそのお考えはないのではないか」
「私達が思うにな」
「こっちに来ればいいさ」
智樹はハーピーの二人に笑って返した。
「復讐するならするでな」
「復讐してもいいのか」
「そうしてもか」
「正直もっと酷い目にいつも遭ってるからな」
ここでは腕を組んで豪語した。
「袋にされて全裸になったりトイレから海に流されてるんだぞ」
「それは確かに酷いわね」
美空が聞いてもだった。
「本当に」
「美空さんもそう思いますよね」
「死にそうになったこともあって」
「それもいつもですよ」
一度や二度でなくというのだ。
「そんなのですから」
「そのミーノースが仕返しに来ても」
「正直そはらや会長にやられるより」
それよりもというのだ。
「ずっとましですよ」
「それは間違いないな」
「そうだな」
またハーピー1とハーピー2が言ってきた。
「ミーノース様もあそこまではされない」
「絶対にな」
「二人の攻撃は恐ろしい」
「私達から見てもな」
「そうだろ、だからな」
それでというのだ。
「仕返しして来るならいいさ」
「それよりもここに来い」
「地上にはだな」
「そうだ、そうしろ」
こう言うのだった。
「一度来いって言ったしな」
「ではマスターにはそう伝える」
「シナプスに戻った時にな」
「だが、本当にそれでいいというのだからな」
「お前は違うな」
「違わないだろ、俺は誰も殴ったり蹴ったりしないだろ」
暴力は振るわないとだ、智樹は言った。
「そうだろ」
「だからか」
「マスターにもだな」
「そうだよ、確かに俺も怒ったさ」
ミーノースのその所業にはというのだ。
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