第四百五十七話 空美町の者達その十三
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「スマッシュのことばかり言って考えてるわ」
「それは当然だろ」
智樹はそはらに即座に答えた。
「いつ出て来るかわからなくてしかもあの強さだぞ」
「だからなのね」
「もういやらしいことよりもな」
「スマッシュとの戦いのことを考えないとなのね」
「正直命に関わるだろ」
自分達のそれにというのだ。
「だからな」
「今はそちらのことを考えているのね」
「ああ」
実際にというのだ。
「俺だってな」
「そういうことね、やっぱり」
「ああ、しかしな」
智樹は元の等身でこうも言った。
「スサノオって上の世界、シナプスのな」
「確かミーノースだったわね」
「あいつみたいな存在かと思ったら」
これがというのだ。
「また違うな」
「そうよね、あいつは何か私達が実は羨ましくて」
「見下していてもな」
「何か凄く苦しそうだったけれど」
そはらもこう言った。
「けれどスサノオはね」
「羨ましいとかはないな」
「それで見下しているかっていうと」
この感情はというと。
「何かね」
「あまりないよな」
「多少あるかも知れないけれど」
「それよりも対するって感じだよな」
「そうよね」
「ああ、スサノオは俺達に仕掛けてどう乗り越えるか観てるって言ったよな」
桐生も話した。
「けれどそれは対していてな」
「上から見下ろしながら羨ましがっているんじゃないんですね」
「そのミーノースも退屈でもな」
それでもというのだ。
「退屈を紛らわせる方法は知らなかったな」
「あっ、確かに」
智樹は言われてはっとなった。
「そんな感じでした」
「だから生きていてもって思ってたな」
「何処かそうでした」
「そうだろ、けれどな」
「スサノオはですね」
「あいつはそのことを知っていてな」
退屈、それを紛らわせる方法をだ。
「ずっとやっているんだよ」
「俺達に人間に仕掛けて戦って」
「人間を見てな」
自分が仕掛けたことを乗り越える自分達をというのだ、桐生は智樹にそのことを淡々とかつ冷静に話していった。
「そうしてるんだよ」
「そうですか」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「ミーノースはな」
「その方法を知らなくて」
「わからなくてな」
「ずっと羨んでいてですか」
「苦しんでいたんだよ」
「それであんなに必死だったんですね」
智樹は実感する声で述べた。
「あいつは」
「ああ、それであいつとスサノオはな」
「違うんですね」
「同じ様な存在でもな」
神、そう言っていい存在でもというのだ。
「そうだったんだよ」
「そうでしたか」
「その中でとんでもないことも沢山したんだ」
桐生はミーノースのその行いも話した。
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