第百九十八話 下野と常陸その五
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「そうするな」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「一段落着いてからだ」
「大坂に戻るか」
「そうする、そしてこの江戸城はな」
「関東を治める要だな」
「第一のそれにする、前に話した通りにな」
こう幸正に話した。
「やはりこの城が一番いい」
「関東の中心です」
謙二も言った。
「江戸は」
「まさにな」
「鎌倉もいいですが」
「鎌倉よりも場所がいい」
「南は湖で川も多く」
「陸の道もいい」
「しかも平野にあり」
それでというのだ。
「大きな街でもあります」
「まさに関東にこれ以上の地はないな」
「ですから」
それ故にというのだ。
「関東を治めるならです」
「まさにこれ以上の地面はない」
「ですから領主は置きますが」
「幕府の治の要にしていく」
「それでいいです、江戸城に関東を治める要を置き」
そしてというのだ。
「兵も厚め」
「ここを拠点に関東全土を治めていく」
「そうしましょう」
「ただしのう」
当季が笑って言ってきた。
「それぞれの国のことも忘れてはいかんきに」
「そして国のそれぞれの地域もな」
「だからぜよ」
「それぞれの国にも治める要を置いてだ」
「治めるのう」
「地域ごとにもな」
「それは西国と同じじゃな」
「これまでの幕府の政とな」
まさにというのだ。
「同じだ」
「そうじゃのう」
「その政を固める為にだ」
「暫くわし等は江戸城に留まってな」
「治める、そして西国と東国も合わせる」
今言った通りにというのだ。
「そうする」
「そうした政をするな」
「そうだ、陸の道も水の道もだ」
その両方をというのだ。
「確かに定める、道の幅もだ」
「それもじゃな」
「一つにする、関東の道は狭い」
英雄はそれのことも言った。
「西国と比べてな」
「それと度量衡ものう」
「違うが」
「そして銭もな」
「全て西国、幕府のものにだ」
「するのう」
「そうしたものを一つにしないとだ」
到底というのだ。
「国は一つにならない」
「はい、国を一つにするなら」
謙二がまた言ってきた。
「そうしたものを全てです」
「一つにしないとな」
「なりません」
こう言うのだった。
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