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レーヴァティン
第百九十八話 下野と常陸その四

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「江戸を要としてだ」
「東国も治め」
「幕府に組み入れますね」
「そうしていきますね」
「大井川に橋をかけてだ」
 その東西の境の一つになっている川にというのだ。
「関もだ」
「なくしますね」
「幕府に入れるので」
「そうしますね」
「そして他の川の橋も道も整えてだ」
 そうしたこともとしてというのだ。
「人の行き来を多くしていく」
「西国でそうである様に」
「東国、関東とのこともそうしていき」
「そしてですね」
「境をですね」
「完全になくしてだ」
 そしてというのだ。
「東西を一つにする、いいな」
「わかりました」
「ではそうしていきましょう」
「橋や道を整え」
「関をなくし」
「そして湖でもだ」
 即ち水運でもというのだ。
「往来は盛んにする」
「そちらもですね」
「そうしてそちらでも一つにしますか」
「これからは」
「これまでも往来はあった」
 商人達のそれはだ。確かに分かれてはいたがそれでもそれはこれまでも確かに存在していたのである。
「だがな」
「それをこれまでよりも遥かに多くする」
「そうなる様に政で整え」
「そしてですね」
「一つにしますね」
「一つになったといってなるものではない」
 英雄は言い切った、まだ具足を着けて本陣にいるがもう目は政を向いていた。
「その様にしてこそだ」
「一つになりますね」
「政として整えて」
「そのうえで」
「そうなるからだ」
 だからだというのだ。
「ここはだ」
「そうしますね」
「ではですね」
「これよりはです」
「政で東西を一つにしますね」
「そうする、豊かにするだけでなくだ」
 関東の諸国をというのだ、農業や商業を整えて。
「そうしたこともする、いいな」
「わかりました」
「ではその政に入りましょう」
「これより」
「その様にな」
 こう言ってだった。
 英雄は奥羽との境に備えを置いたうえで主な軍勢を退かせた、そしてだった。
 自身は一旦江戸城に入ってそこで仲間達と再会してそこでまた語った。
「関東はこれで手に入った」
「それはな」
 幸正が応えた。
「確かに成った」
「これはいいことだがな」
「これで終わりではない」
「むしろここからだ、俺達は暫くこの江戸城に留まり」
「そしてだな」
「そのうえでだ」
「政に専念するな」
 英雄に問うた。
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