第103話『予選H』
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「ぐすん。今みんなを呼んでくるね」
「わ、わかった」
結月は目に浮かぶ涙を拭いてから、救護室を出て行った。晴登のことになると、情緒が激しく揺らいでしまう点が玉に瑕なのが結月だ。心配させるようなことは極力控えたい。
「もっと、強くならなきゃ」
今回の事態は己の弱さが招いたものだ。もっともっと身体を鍛え、魔術も洗練する必要がある。
その点、このレース中に師匠も見つかったことは幸先が良い。さらに強くなるにあたって、魔導祭はうってつけの舞台だ。早く復帰して、特訓しなければ──
「あれ、そういえば予選結果はどうなったんだろ」
ふと、今になって最重要事項を思い出す。
ちょっと待て、もしここで予選落ちしてようものなら、機会も何もあったもんじゃない。
ヤバい、そういえばゴールしたかどうかあんまり覚えてないぞ。まさか途中でぶっ倒れて運ばれた……? そんな、嘘だと言ってくれ……!
「──本戦出場だよ」
「すいませんでした! 俺のせいで……今何と?」
「だから本戦出場だよ。ホントに、お前はよくやってくれたよ」
そう言って、部屋に入ってきた終夜がニカッと笑っていた。
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