集う参加者
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「あれって、確か千翼くんと倒したやつだよね?」
「復活したんだよ。真司さんが倒したけど」
可奈美が補足する。ハルトは頷いたが、納得できない様子だった。
「まあ、フェニックスのことは気になるけど、あと回しだ」
ハルトが切り出した。
「俺がコウスケをここに連れてきたのは、可奈美ちゃんの耳にも通した方がいいから」
「何を?」
「それに、真司さんと友奈ちゃんがいるなら尚更」
「「?」」
友奈と真司が同時に首を傾げた。
思えば、チノとココアが響の治療に奮闘しているおかげで、今ラビットハウス店内には、聖杯戦争参加者だけしかいなかった。
「そろそろいいよね。……キャスター」
「キャスター?」
可奈美が首を傾げると、コトッと陶器が机に置かれる音がした。
なぜ気付かなかったのだろう。窓際の端のテーブル席に、息を呑むような美しい女性がコーヒーを飲んでいたのだ。
美しい銀の髪、女性ならば憧れを抱くような高身長。宝石のような赤い瞳。
「キャスター!?」
「久しいな。……セイヴァーのマスター」
キャスターは可奈美を、そして隣の友奈を見る。
「セイヴァーのサーヴァント。会うのは初めてか」
「初めまして! この度セイヴァーのサーヴァントをやらせてもらう、結城友奈です!」
友奈は元気に答えた。
だがキャスターはにこりともせず、次に真司を見る。
「ライダーのサーヴァント。お前も、初対面だな」
「あ、ああ。城戸真司だ。よろしくな」
「……」
キャスターは、真司から差し出された手を握ることもなく見下ろした。
冷や汗をかいた真司は、可奈美に耳打ちする。
「なあ、可奈美ちゃん。この人もしかして、聖杯戦争に積極的な人?」
「積極的ではあるけど、そこまででもないかな……ね?」
「今戦うつもりはない」
キャスターは答えた。
「……マスターの介抱をしてくれると言うから、取引に乗っただけだ」
「介抱?」
「キャスターのマスター、ケガでもしたの?」
友奈が首を傾げた。
すると、コウスケが「ああ」と頷いた。
「遺跡で気絶したほむらを、ハルトが介抱するって聞かなくてな。で、距離的にもラビットハウスの方が若干近いし、キャスターも承諾したんだよ。バイクもあるしな」
「なるほど!」
「でもそれって、ハルトさんの善意百パーセントってわけじゃないでしょ?」
可奈美が顎に手を当てた。
ハルトは「まあね」と頷き。
「丁度いいところで可奈美ちゃんたちも帰ってきたし、キャスターが知ってることを聞き出したいって思ってたんだ」
「知ってること?」
キャスターは何も言わずにハルトを見つめている。
だが、ハルトは続けた。
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