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「響ちゃん、大丈夫?」
「お腹空いた……」
響が電池切れといった表情をしている。
友奈とともに彼女に肩を貸しながら、可奈美は焼け野原になったクリスマスマーケットを歩き去った。
「友奈ちゃん。誰も、巻き込まれなくて済んだ?」
可奈美は尋ねる。
さっきまで人々で賑わっていたクリスマスマーケットは焦土とかしており、焼け焦げた跡しか見えなかった。
友奈も顔をしかめて周囲を見渡す。
「うん。大丈夫みたい。屋台とか飾りはいろいろ残念だったけど、それ以外は
響がバーテックスを倒してから、バングレイとエンジェルは退却した。その際、可奈美と戦い続けていた結芽もまた、バングレイの命令によって引き返していった。
結芽は退却に対して不満を口にしていたが、召喚者であるバングレイには逆らえないのだろう、渋々撤退に賛同していった。
そして力尽きた響を抱えて、可奈美と友奈はココアを探していた。
「真司さん、大丈夫かな?」
「大丈夫だよ。きっと! だって、普通に避難したってことにするって言ってたし」
「う〜ん。そうだね。あ、電話だ」
可奈美は、ポケットからスマホを取り出した。見てみれば、『保登ココア』という着信名が記されていた。
「あ、もしもし? ココアちゃん……」
『可奈美ちゃん!? 今どこ!? どこにも避難してないから心配したんだよ!?』
「え、えっと……」
『友奈ちゃんと響ちゃんは!? 私と一緒にいたと思ったのに、いつの間にかいなくなってて!』
「あ……大丈夫。一緒にいるよ」
『本当!? どこにいるの!?』
「さっきいた広場の隣の時計台があるところ」
『時計台? 待ってて!』
すると、ココアとの通話が一方的に切られた。
可奈美が唖然として見下ろすと、『保登ココア(お姉ちゃんだよ!)』という着信が山のように積まれていた。
「うわ……ココアちゃん、めちゃくちゃ心配してる……」
「私たちが戦ってることを教えちゃうと、絶対に巻き込んじゃうもんね。その分心配かけちゃうのも分かるよ」
「友奈ちゃんは、これまで勇者になっていたことを隠してきたの?」
可奈美の問いに、友奈は頷いた。
「うん。御役目は、大赦……私たちの世界の、大本以外にはね。隠してきたよ」
「そうなんだ……私は、刀使であることを隠すなんて今までなかったから、ちょっと後ろめたいかも」
「可奈美ちゃん! 友奈ちゃん! 響ちゃん!」
やがて、ドタドタと大きな足音が聞こえてきた。見上げれば、広場の端から、ココアが血相を変えて走ってきていた。
「二人とも大丈夫!? ほんと、どこにもいな……響ちゃんどうしたのっ!?」
可奈美と友奈の顔を見て安堵を浮かべたココアの顔は、響を見て豹変
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