暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第74話:それは小さな亀裂
[5/8]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
った。その道中、ウィズは拳を開き《《胸板に押し付けられたメモ用紙》》に目を落とした。
そのメモ用紙の内容を読み、彼は大きく溜め息を吐いた。
「全く…………面倒と言うか回りくどい事を……」
そうぼやくと、ウィズは再び魔法でその場から転移してしまった。
***
一方、マリア達を回収したヘリ「エアキャリア」。その操縦室に居るのはナスターシャ教授とソーサラーの2人だった。
操縦室は軍の最新の輸送機と同等の設備が整っているだけでなく、異端技術による改良も施されている為、彼女1人でも十分に操縦が可能だった。
そのナスターシャ教授の後ろには、壁に寄りかかっているソーサラーの姿もある。彼は特に操縦室内の設備に触る事無く、まるで眠っているかのように腕組をして俯いているだけだ。
これほどの機体がレーダーどころか肉眼でも捉える事が出来ないのは、偏に特殊ステルス機能『ウィザードリィステルス』と言われる装置に接続された《《赤く輝くギアコンバーター》》に秘密があった。
このギアコンバーターに使われている聖遺物の名は『
神獣鏡
(
シェンショウジン
)
』。この機体のステルステクノロジーは、この聖遺物の機能解析の過程で手に入れた副産物である。この存在が彼女達の行動を二課やアメリカ政府から隠してくれているのだ。
その存在は大きなアドバンテージであるが、同時に脆く儚いものであった。タネが割れ、対策を練られてしまえばあっと言う間に追い詰められてしまう。
とは言え、それでもまだ余裕はある方だった。彼女達には大勢の魔法使いが味方してくれている。
彼らの性格などを考えると、あまり楽観することは出来ないがそれでも孤軍奮闘でないだけ――――――
「ごほっ!? ごほっ、ごほっ――――!?」
「!」
突如口を押え、咳き込むナスターシャ教授。ソーサラーは素早くそれに反応し、彼女の背を擦った。
咳が落ち着いた頃、ナスターシャ教授が己の掌を見るとそこには赤黒い喀血がこびり付いている。
ソーサラーはそれを見ると、右手の指輪を付け替えハンドオーサーに翳した。
〈リカバリー、ナーウ〉
ソーサラーの魔法がナスターシャ教授を癒し、彼女の顔色が先程よりも良くなる。
「……ありがとうございます。貴方には、助けられてばかりです」
「…………礼を言うのはこちらの方です」
ナスターシャ教授からの感謝に、ソーサラーは珍しく口を開いた。若い男の声だ。恐らく初めて聞く彼の声に、ナスターシャ教授は少し驚いた顔をした。
「おや、貴方が口を開いてくれたのは初めての事ですね。意外とお若いようで……。それより、私に感謝していると言うのは?」
「マリア……そしてセレナの事。特にセレナに関しては、
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ