混戦
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が、その後バーテックスに至る時には、すでに龍騎のドラゴンライダーキックは消耗しきっていた。
「ドラグレッダー!」
だが、それも織り込み済みであった。自らの契約モンスターの名前を呼び、赤い龍がバーテックスと取っ組み合う。
「頼むぜ……うおっ!」
着地したところで、龍騎はその体に大きな斬撃を受ける。
「悪くはない。だが、私には遠く及ばない!」
エンジェルがニヤリと笑みながらこちらに歩いてくる。
「くう……必殺技を打った直後に襲ってくるやつがあるかよ……うわっ!」
エンジェルは龍騎の苦言に耳を貸すことなく、その鎧を引き裂く。
「愚か者が。戦いにそのようなことを気にする輩などいない。散れ」
エンジェルは、深紅の宝珠を取り出し、胸のスロットに装填した。
「スカイックオーブ 天装」
発生した竜巻が龍騎を襲う。
「ぐおっ!」
風と雷に巻き込まれる龍騎は、そのまま残ったビービ兵を片付けている響のもとに飛ばされた。
「いつつ……」
「真司さん、大丈夫?」
追撃しようとしたビービ兵を殴り飛ばした響に助け起こされた龍騎は、「ああ」と頷く。
「何とかな。それより、これ……」
立ち上がった龍騎は、現状に唖然とする。
エンジェルに吹き飛ばされたのは、ビービ兵軍団のど真ん中だった。
無数のビービ兵がどんどん追加で発生していくその様は、見ているだけで戦慄を覚えた。
「これはやばいな……」
「大丈夫! 最速で最短で、突破します!」
龍騎の言葉に、響は拳を叩いて答えた。
「心強いな。よし、俺も負けてらんないな!」
「行きます!」
響はそのまま、ビービ兵たちと格闘を行っていく。龍騎もドラグセイバーでビービ兵たちを切り倒していく。
その時。
「うっ……」
響が突如として膝を折る。
龍騎は彼女に駆け寄り、助け起こそうとした。
「おい、大丈夫か?」
龍騎は響を助け起こそうとする。だが、彼女の肩に触れた途端、龍騎のコスチューム越しに彼女の高熱が伝わった。
「熱っ……!」
仮面ライダーとして強化されている肉体でさえ拒否を示してしまう温度。見れば、彼女の体からは蜃気楼さえも上がっているように見えた。
「ほう……」
それを見ながら、エンジェルはほくそ笑んでいた。
「これは面白い。貴様、どうやらオーパーツが反応しているようだな」
「オーパーツ?」
唐突なエンジェルの発言に、龍騎は首を傾げた。
「おい、一体なんの話だ!? 響ちゃんに何をしたんだ!」
「があああああああああああああ!」
響が悲鳴を上げた。龍騎を突き飛ばし、目が金色の輝きを宿し始める。
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