サマンオサの洞窟
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<サマンオサ南の洞窟>
リュカ達は薄暗い洞窟内を移動している…
サマンオサ城の地下牢で救出した本物の国王と、元兵士の夫婦…チャールズとマデリーンをフィービーの隠れ家へ匿い、カンダタ・モニカ・ハツキを護衛に残したのだ。
実を言うとリュカは、マリーも隠れ家に残したかったのだが…
「いやですー!私も一緒に洞窟へ行きますー!お父様達と一緒が良いですー!!」
「我が儘を言うんじゃありません!洞窟内は危険なのだから、此処で大人しく待っていなさい!」
「お父様!私だって、この国の事を憂いでる一人です!私だってフィービーさん達の為に、何かをお手伝いしたいと思ってます!こんな時の為に、魔法を手加減できるように頑張ったんです!私も…私も一緒に連れて行って下さい!」
………っと、こんな感じでリュカとマリーの間で、小一時間の問答があったのだ…
しかし、それでも首を縦に振らないリュカに、留守番組のカンダタ・モニカ・ハツキが疲れ切り、マリーの援護へと回ったのだ。
それからリュカを説得する事一時間…
娘の安全の事となると頑固で、ついにはアルルが疲れてしまった…
アルルがマリーの味方をするという事は、ティミーもマリーの援護に回るという事で、彼の機転によりビアンカを巻き込み説得しだした。
リュカ・ビアンカの夫婦を説得する事一時間…
ついにはビアンカが折れ、リュカを説得し始める…
ビアンカが味方に付いた事で、リュカも直ぐに折れるだろうと思ったのだが…
彼は娘の安全の事には頑固で、更に一時間も費やす事となる。
この無為な問答に、終止符の切っ掛けを与えたのはウルフの一言だった。
「リュカさん!マリーは俺が守る!だから一緒に連れて行って下さい!」
誰もがこれで、この問答が終わると思っていた…
しかし…
(ゴツン!)
「痛っ「ふざけんな!お前みたいなヒョロ男が、簡単に娘を守るなどと言うな!」
ウルフの後頭部にリュカの拳骨が落ちる。
「でかい口は実力を伴ってから叩け!お前は魔法が使えなければ、何も出来ないじゃないか!剣術だって始めたばかり…そんな男が、危険極まりない洞窟内で、僕の大事な娘を守りきれるのか!?『頑張ったけどダメでした』じゃ、済まないんだぞ!」
リュカの言い分は尤もで、以前までのウルフだったら俯き黙ってしまうだろう…
しかし今のウルフは違う…
「守る!…たとえリュカさんが敵だとしても、マリーは俺が守るんだ!」
「……………」
ウルフの気迫に押されるリュカ…
こうして洞窟探索のパーティーは決まった…
リュカを先頭にビアンカ・マリー・ウルフ・アルル…そして殿はリュカの信頼が厚いティミー!
洞窟内ではリュカは慎重に…珍しく歌わず…群れをなして現れるモンスターを一瞬で駆逐して行く!
そして、その光景を
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