第百九十七話 小田原入城その十二
[8]前話 [2]次話
英雄は陣を組んだまま戦い続けた、魔物達は数で攻めるが幕府の軍勢は陣を敷き守りを固め規律だって攻めてだった。
魔物達を倒していった、それは朝から夕方まで続いたが。
夕方には魔物は一体もいなくなっていた、英雄はそこで金塊に変わった魔物達を見てそうして言った。
「では全てな」
「はい、兵達にですね」
「山分けして」
「そして与えますね」
「戦をして勝った褒美にな」
それでというのだ。
「与えよ」
「幕府の蔵に入れませんか」
「この分は」
「そうしますか」
「その必要はない」
一切というのだ。
「今はな、それよりもだ」
「戦った兵達を労い」
「褒美として与える」
「そうしますか」
「時として褒美も必要だ」
英雄は確かな声で言った。
「まして突如として起こった戦に勝ったならな」
「今の様にですね」
「だからですね」
「今の金塊はまず一つに集め」
「そしてですね」
「兵達に褒美として与える」
「平等に分けて」
「一人一人でもかなりのものだからな」
二十万を超える幕府の兵達それぞれにというのだ、英雄はここでも表情を変えず口調も普段通りであった。
「そうする、ではな」
「はい、その様にして」
「そしてですね」
「それが終われば」
「それからはですね」
「兵を進める」
あらためてというのだ。
「いいな、では今から金を集め」
「兵達に褒美として与える」
「そうしますね」
「我等は」
「そうする」
こう言ってその様にさせてだった。
英雄は兵達に褒美を与えた、それが終わってからまた兵を進めさせた。関東の戦は次の段階に進んでいた。
第百九十七話 完
2021・2・8
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ