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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦(3)〜最高評議会VS同盟弁務官団〜
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するのでは」
いえ、と深みのある声でシトレが答えた。
「こちらは補給基地を防衛する以上、重火力を支える物資はいくらでも自弁できます。敵側は遠征舞台となる以上、そうはいきません、この時点で十数万の兵力を一定期間維持しなければならない。4=2周辺区域だけでも半個艦隊は最低限割かねばならなくなります」
シトレの口調は先ほどまでと異なり泰然とした悟性を感じさせるものである。艦隊司令長官時代のそれであった。
「ヴァンフリート宙域は大軍の運用に向かぬ場です、比較的少数の艦隊を分割して運用する事に向きます、ヴァンフリート民主共和国の支援がある以上、こちらが優位です。恒星間機動戦力――敵の艦隊を撃退するまで持ちこたえればよいのです」
「であれば構成邦軍の動員は必要ないのではないかね」
レベロが口をはさむとトリューニヒトは一瞬、不愉快そうな表情を浮かべた。
「戦力が過小になると早期に陥落する可能性が極めて高いです。その場合,あるいは守りきれたとしてもより多くの増援を送った場合よりも膨大な犠牲者が出ます」
シトレは自身の政治的後ろ盾に対しそっけなく全否定した。
「議長,国防委員長として
常備地上軍
(
レギュラー・アーミー
)
の追加動員を進言します。大軍になればなるほど統制は難しくなるもの、であれば既存の整備された部隊の行動の許可を。帝国軍が地上軍をヴァンフリート4=2に送り込め数が増えれば増えるほど不利になることは統合作戦本部も認める事実です」
シトレは淡々とサンフォードへ視線を向けて語る。
「議長、本部長として此度の【交戦星域首脳会議】の提案を受け入れるべきであると進言します」
「財務委員長としてはいずれにしても規模の縮小を求めます」
「議長、よろしいですか」
マクドナー最高評議会書記がサンフォードに何事かを囁くとサンフォードは頷き、自身よりもさらに年上の政治業者へ視線を向けた。
「さて、それでは国務委員長、貴方の意見はどうだね。同盟弁務官からの意見であるが」
「儂かね」
カーティス国務委員長――同盟弁務官総会の議長を兼務する老人が声を発すると弁務官らは口を閉じた。
カーティスは弁務官達の長老でありその任期は継続してすでに四半世紀を超えている。
「そうさな――まずは第一にヴァンフリート4=2への増援は既定路線とするべきだ」
「第二にその内容であるが可及的速やかな増援の配置が必要である。常備地上軍からは重火力部隊を中心とした舞台と指揮幕僚団の派遣に限定し、1日でも早く送り込みむ。4=2の基地指揮系統を再編する」
「第三にこの段階を持って首脳会議の提言を受け入れ同盟地上軍予備軍として構成邦から動員をかける。4=2基地への派兵部隊は基地司令部の指揮下に入り,部隊輸送の指揮はセ
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