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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦(3)〜最高評議会VS同盟弁務官団〜
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けてやってるんだ”。と言っているわけか?」
 ヴァンフリートの弁務官が声を荒げる
「そのような意図ではない!!無尽蔵に同盟政府が地方の動員を鵜呑みにしては財政計画と国防戦略が破綻する!!我々の統帥に置くのであれば同盟政府の合議により同盟議会と政府の責任による予算とその執行に服するべきだと言っている!!」


「レベロ君の方が道理だな」
 サンフォードは苦情を浮かべ、あまりに加熱している論争の仲介に入った。

「道理というものは幾つもあります、【交戦星域首脳会議】の提言を軽視するのも道理の一つであり、レベロ財務委員長の意見はそこから外れています」
 トリューニヒトの言葉にもサンフォードはそうだなぁ、と覇気のない返しである。 

「シトレ本部長、遅滞なく送れる常備地上軍(レギュラー・アーミー)はどの程度だね」
 シトレは眉を跳ね上げ答えた。
「さほど多くはありません、基地副司令官と警備責任者を兼務する野戦司令官の選任と参謀の増員は既に進めております、これは当然ながら問題ありません。実働戦力は1個師団規模を分散して運ぶことになるでしょう。前線に配置する部隊の動員は既存の動員計画に則りすでに動いております、追加の地上軍動員は必要な予算を追認していただいたとしても実務的に保障し辛いのが正直なところですな」
 トリューニヒトは眉をひそめる。
「宇宙軍陸戦隊と地上軍は動かし方が違います」

「えぇその通りです、宇宙軍陸戦隊と異なり地上軍は大規模部隊を大型輸送艦により輸送され、接弦戦闘などを前提としていない」
 シトレ本部長は頷く。
「であるからこそ、です。ヴァンフリートへの行動は目立ちますし、宙域内で動き回ることに向いていない。これはうまくないです」
 リヴォフも、まぁそれも道理と言えば道理か、と考えた。
大規模艦隊戦の最中に貼り付けたまま動かせない部隊を抱えたくないというのは艦隊総司令部の理屈ではあるがヴァンフリート側も理解するだろう……本土、即ちコロニー戦は最悪の選択肢でありその最中に細々とした機動ができない部隊を騒々しく運び込む場合……帝国がどのような刺激を受けるのか、というのを言外に臭わせているのだ。

 サンフォードはアンドム達ヴァンフリート弁務官団の様子を探るように観察する、
「現段階の4=2基地の兵力は」

「ヴァンフリートの地上部隊の一部と合流して2万ほど、ですがこの部隊が本土に引き揚げるのであれば予備兵として後方勤務を動員せねばならず、大いに不足しております。敵がヴァンフリート4=2基地の攻略を企図している場合は――」
 シトレは手元の電算機を叩く。
「最低限、4万の兵を、更に言えば重火力装備が必要です」

 トリューニヒトは無表情で尋ねる。
「その程度で大丈夫なのかね、数で劣ればいずれ陥落
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