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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦(3)〜最高評議会VS同盟弁務官団〜
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ヒトは折れる筈だ」
 トリューニヒトの軍への影響力を鑑みれば構成邦軍の動員とは地上軍”予備役軍”の動員であり、常備軍を支える地上軍将校団にとっては面白くない。とはいえ構成邦の意向を蔑ろにした場合、恨みを買うのは自分であることも理解している。
 であるからこそ常備軍の動員をタイムスケジュールに無理を入れてでも行おうとしているのである。
 しかしヴァンフリート側はそれを手放しで喜べない,なにしろ戦場になるのは4=2基地ではなく“ヴァンフリート民主共和国”であり彼らは自動車や鉄道と航空機ではなく宇宙艦隊で襲来するのだ。問題はそこである、整理すればそれだけだ。
 ロムスキーは頷くとヴァンフリートの弁務官のリーダーであるアンドムと小声で相談を始めた。

「国防委員長の意見も道理ではありますが特に【交戦星域】の構成邦軍は構成邦間の交流も多く、予備軍としての運用を想定した演習も年に一度行うのみならず、実際に同盟軍の統帥下で動く経験も多々あります、問題ないかと。
それよりも緊急の動員と遠征従軍数の増大により艦隊の到着が遅れる危険性を想定するべきです。常備兵力とはいえ遠征を企図していない部隊へ物資を手配し【交戦星域】に送り込むのは危険です」

 シトレは卒なくヴァンフリートの弁務官達に視線を送る。
「ヴァンフリートの“本土”防衛を疎かにしては本末転倒。
“自身の基盤の面子にこだわって正当な運用を損なうのは筋が違う”のです」

 トリューニヒトは鼻を鳴らし“相方”軍令のトップの宇宙軍優先を説く言葉を聞き流した。
「……だからといって4=2が陥落しても大問題だ」

「その通りです、であるからこそ同盟軍の兵站機構に頼らず各構成邦より部隊の派遣を行い,効率的な輸送が必要であります。主力は既存の計画の通り艦隊に集中すれば確実に本土を守ることが可能です」
 
 リヴォフはさてどうしたものか,と思考を巡らせる。シトレは艦隊司令長官として歴代でも優れたものの一人であるが――統合作戦本部長としては“艦隊屋”と書かれた幟を振りまわし過ぎている。
 裏に【地上で血を流すのは交戦星域の仕事だ】という【宇宙軍の常識論】が無意識にしろ受け継がれているのであれば【民主主義の縦深】としては『結果は同じであっても受け入れ難い』と言わざるをえない

「いずれにせよ、だ」
 レベロは背筋を伸ばしてよく通る声で発言する。
「同盟地上軍の予備役として同盟政府が全額持つのであれば効率的な予算運用をするべきだ。義勇軍として動くのであれば提案した政府の自己責任において予算を運用するべきだ、予算の融通は議会の賛同が必要だろう」
議会を通さぬのであれば当座は義勇軍として同盟軍に参戦するべきだ、とレベロが言う。
「自己責任だと!?国防は本来その地域の自己責任であり同盟政府は“助
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