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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦(3)〜最高評議会VS同盟弁務官団〜
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うだか知らぬが我々の身命と財産はすべてイゼルローンにより――」
 アンドム率いるヴァンフリート弁務官達がレベロに挑みかかる。レベロは丁重であるが反論の手は緩めない。堂々巡りの議論が始まった。

「“いつもの”か、面倒だな。リヴォフ、トリューニヒトの案をどう思う」
 ロムスキーはリヴォフにささやきかける。安全保障委員会においても活動しているが彼の専門は医療支援や救援物資の備蓄、調達等の方面で前線の運用については素人である。

「俺は乗りたくねぇがヴァンフリート次第だ。それに俺は運び屋であって陸戦屋じゃねぇからな……だがアイツのブレーンは陸戦と兵站屋が多い」
 トリューニヒトは宇宙軍エリートよりも自身も予備役将校として従軍した兵站畑、そして非主流派の地上軍、そして軍政背広組を重用している。
 
「統合作戦本部の統合性はあの御二人方のご機嫌次第ってことかね?」
 ロムスキーの声に苦いものが混じる。
 トリューニヒトはタカ派勢力の華型議員として大衆人気が高いが,それに反して宇宙軍主流派からは人気が低い。個別の取り込みによって派閥を作ろうとしているがけして上手くいっていない。
 まぁそれも当然かもしれない、トリューニヒトは地方駐留艦隊に優先して予算を回すことで国防予算により”子分”の面倒を見ようとしているが、バーラトや首都圏出身が多い宇宙軍将校団主流派にとっては好ましいものではない(出身地をさておいても出世の機会が少ない上に面倒極まりない構成邦議会との折衝まで行わねばならない駐留艦隊などいい迷惑であった)

「シトレと妥協した副案は流石にあると思うがよ……」
 リヴォフの視線の先にはアンドム達とやりあうレベロを冷ややかに眺めている国防委員長の姿があった。

 トリューニヒトの冷笑はレベロに向けているように見えるが実際はレベロの強い推薦を受けて統合作戦本部長の任に就いたシドニー・シトレにも同程度の強さで向いている。
 念願の国防委員長の座を射止めた途端に”相方”の人事案が自身の推薦はおろかサンフォードですらない、自由党案が採用された事で国防委員長の宇宙軍嫌いが加速したのではないか、とすら噂されている。

「シトレがレベロと組んで頑張った可能性があるならまずいわね?」
 アリシアがため息をついた。アリシアもトリューニヒトに“面倒”を見てもらったことがあるのは事実だ。
 リヴォフは思考を巡らせる、そして今必要な大目標はイゼルローンを潰すこと,そしてその為に必要なのは第六次イゼルローン作戦の中枢を担う4=2基地を守ること。
「同盟政府の常備陸軍(レギュラー・アーミー)を動かせるのは悪くねぇと思うぜ、トリューニヒトも全部通す気はねぇ、こちらへの恩売りと派閥の面子を立てる為だ、呑めるとこを呑ませつつブレーン達の面子がたてばトリューニ
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