第六十三話 お家に帰ってその十三
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「お肌白くて奇麗ですし」
「お肌も?」
「冗談抜きでグラビアもいけますよ」
「またそんなこと言って」
上段にしても過ぎると思います。
「私の何処がなのよ」
「本気で言ってますよ」
「嘘でしょ、私がグラビアとか」
アイドルみたいにです、私がアイドルみたいなお仕事とかそれこそ全く縁のないお話としか思えないです。
「そんなことは」
「声優さんも最近結構してますよ」
「そのことも言ってるわね」
「いっそのこと声優事務所か芸能事務所に履歴書送って」
「デビューしたらっていうの」
「先輩なら確実にトップに立てますから」
声優さんでもアイドルでもというのです。
「どうですか?」
「そんなつもりないから」
私の返事は一言でした。
「絶対にね」
「そうですか」
「そうよ、というか私の将来は決まってるから」
「日本の声優業界かアイドル業界の損失ですよ」
「私が声優さんかアイドルにならないと」
「こんなところに逸材がいるのに。まあそれはそれでいいですか」
「何でいいのよ」
私を見る阿波野君に反論しました。
「一体」
「そりゃ誰の手にも渡らないですから」
「どういうこと?」
「まあそれはおいおい」
「おいおいって言うけれどね」
「先輩がずっとおみちにいてくれるなら嬉しいですし」
それでというのです。
「ですから」
「アイドルや声優さんでもなくてもなの」
「僕はいいですよ」
「勝手ね」
ついついこの言葉を出してしまいました。
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